第一章
[2]次話
天使の様な天使
天使といえばどういったものか、北条賢雄は居酒屋で部下達に言った。
「怖いな、天使は」
「そうですよね、実は」
「キリスト教の天使って」
「聖書とか読むと」
「その実は」
「ああ、無茶苦茶するな」
北条はこうも言った、見れば白髪が混ざってきている髪の毛をセンターで分けていてやや細長い顔で目が目はサングラスにもなるものだ。きりっとした目で唇もそうだ。日に焼けた顔で背は一七〇程で均整の取れた身体突きをしている。
「よく見たら」
「世界壊しますしね」
「ヨハネの黙示録とかだと」
「人殺しまくって」
「無茶苦茶してますね」
「天使の様に清らかで優しいとかな」
それはとだ、北条は焼酎を飲みつつ言った、見れば芸能プロダクションの重役だけあってお洒落な服を着ている。
「それはな」
「嘘ですよね」
「ちょっと勉強したら」
「そう思えますよね」
「あくまで神様に仕える存在でな」
それでというのだ。
「人はな」
「物凄く熱心な信者は救いますが」
「キリスト教の」
「それ以外は、ですよね」
「助けるどころか」
「粛清するからな」
北条はそれぞれビールやチューハイを飲む部下達に話した、肴は唐揚げや枝豆や冷奴といったものだ。
「文字通りに」
「そう言うと本当に怖いですね」
「人によっちゃいい存在じゃないですね」
「そうですよね」
「いい存在の時もあれば」
その場合はあることは事実でもというのだ。
「けれどな」
「悪い時もありますよね」
「関係ない人も粛清したり」
「そんな時もあって」
「ああ、今のキリスト教は違うけれどな」
北条はこう断って冷奴を食べつつ言った。
「異教徒には容赦しないからな」
「ですよね、天使も」
「普通に攻撃しますからね」
「十字軍みたいに」
「異端とみなしてもな」
この場合もというのだ。
「そうするからな」
「怖いですよね」
「それぞれの信仰があるのに」
「そういうの無視して攻めてきますからね」
「俺達キリスト教徒じゃないですから」
「普通に攻撃されますね」
「ああ、昔のキリスト教の教えだとな」
実際にとだ、北条は部下達に答えた。今も焼酎を飲んだがこれは焼酎が身体にいいと聞いてだ。年齢で痛風が怖いビールや糖分が多い日本酒は避けているのだ。
「俺日蓮宗だけれどな」
「仏教徒ですね」
「じゃあ普通に攻撃されますね」
「粛清されますね」
「天使にな、もう神の敵とみなされたら」
その時点でというのだ。
「黙示録みたいにな」
「攻撃されて」
「それで、ですね」
「粛清ですね」
「天使みたいに清らかで優しいとかな」
そうしたことはというと。
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