第三章
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「生きていけないしね」
「その通りですね」
「百姓の家ならです」
「それは当然ですね」
「そうだよ、あっ」
ここで、でした。桃太郎は。
ふと気付いた顔になってこう言いました。
「いいことがある」
「いいこと?」
「いいことといいますと」
「それは」
「いや、この鬼ヶ島でも」
お供達にこう言うのでした。
「田畑を作ればいいんだよ」
「そうか、鬼達も田畑を耕してですね」
「そしてそこから得られる作物を食べれば」
「それで、ですね」
「もう食べものを奪う必要がない、それに島だし」
桃太郎はさらに言いました。
「漁もすればいい」
「お魚や海老や蛸を取って」
「そうしてそうしたものを食べればいい」
「そういうことですね」
「幸い鬼ヶ島は水も出るし」
井戸もあります、そこから真水が出ていて鬼達はそれを飲んで暮らしているのです。
「田畑も作れる筈だし、漁もすれば」
「いいですね」
「田畑からはすぐに食べものは獲れませんが」
「それでも」
「そう、そしてね」
桃太郎のお話は続きます。
「食べても余る分の作物やお魚を売れば」
「お金になりますね」
「商売も出来ますね」
「尚更いいですね」
「これで暮らせる筈だよ」
鬼達もというのです。
「だからね」
「ここは、ですね」
「是非ですね」
「鬼達に話しますね」
「彼等に田畑や漁や商いのことを教えよう」
そうして彼等が普通に暮らせる様にしてそうすることによって近くの人達からものを奪わない様にしようというのです。
それで桃太郎とお供達は実際に鬼達に田畑や漁のこと、そして商いのことを教えました。するとです。
鬼達は実際に桃太郎達の言う通りにしました、するとです。
「田んぼからお米が獲れますし」
「畑から色々な作物が出来ます」
「それを食って生きていけます」
「あと島なので周りは海ですから」
「漁をすれば魚も貝も海老も獲れます」
「それで余ったものを売って金も出来ています」
「もう悪いことをしなくても生きていけます」
鬼達は桃太郎達に口々に言いました。
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