第二章
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「人々にも暮らしがあってだ」
「食いものや金を奪われるとですか」
「今度はその者達が困る、だからだ」
「それはわかっていますが」
「それでもか」
「はい、生きる為に」
「そうか、これは困ったな」
桃太郎は鬼達の事情を聞いて彼等が何故食べものや金目のものを奪うのかはわかりました。そしてです。
一旦三匹のお供とお話しました、鬼達が生きる為に人からものを奪わない様にするにはどうすればいいのかをです。
桃太郎は黍団子を食べつつ三匹にも黍団子を渡して食べさせつつ言いました。
「さて、どうしたものか」
「鬼達が悪さをしない様にするには」
「どうすればいいか」
「それが問題ですね」
「そう、どうしたらいいかな」
黍団子を食べつつ言うのでした。
「一体」
「若し今のままだとです」
「鬼達はまた悪さをします」
「そうなるのは目に見えていますね」
「だからね、彼等に何とか生きる糧を与えよう」
こう言ってでした、桃太郎は三匹と色々お話しますが。
ここで、です。桃太郎は黍団子を見て言いました。
「黍団子の黍はお爺さんとお婆さんが畑で作ってくれたんだよね」
「いい黍ですね」
「団子の作り方も上手で」
「とてもいい味です」
「うん、お爺さんとお婆さんが畑から丹精込めて作ってくれたんだ」
それが今食べている黍団子だというのです。
「そうなんだ、芝刈りや洗濯をしながら」
「ご立派ですね」
「お爺さんもお婆さんも勤勉ですね」
「そのうえで桃太郎様を育てられたのですね」
「うん、そうだよ」
こう三匹に答えます。
「だから恩返しもしないとね」
「いいことです」
「親孝行までお考えとは」
「流石は桃太郎様です」
「これまで育ててくれたしね、畑も」
こちらもというのです。
「帰ったらちゃんと耕していこう」
「桃太郎様がですね」
「そうされますか」
「畑を耕されますか」
「田んぼもね。田畑がないと」
それこそというのです。
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