暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第95話『予選@』
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
った。


「そういや、お前の名前を聞いてなかったな」

「えっと……三浦 晴登です」

「三浦……へぇ、そうか。──俺は【覇軍(コンカラー)】代表、"影丸"だ。そういやお前、集合場所探してるんだっけか? それならこっちだぜ」


影丸と名乗った青年は、こっちだと手招きをしてくれる。しかし、そんな親切よりも今は気になることがあった。


──この人は【覇軍】の人なんだ、と。


何という偶然だろうか。まさか、優勝候補のチームと知り合うことになるなんて。
全身が黒っぽい風体……もしや、この人が"黒龍"なのだろうか。確証はないが、彼のプレッシャーは本物だった。とにかく、相当な実力者には違いない。


「凄い人に目付けられちゃったな……」


晴登はボソリとそう呟いた。しかし、その理由が釈然としない。
何だ、「死地を潜り抜けてきた猛者の目」って。そんな大層な目はしてないと思うのだが。

……まぁ、心当たりがない訳ではないのだけども。2つの異世界での出来事が頭をよぎる。

とはいえ、そんな話に興味を持つなんて変な人だ。晴登だって、おいそれと人に話したい話題でもない。

……どうしたものか。






場所は変わって、森の中にポツンと存在する広場。ここは"組み手"の会場──いや、正確には集合場所と言うべきか。


「やっぱりゴツい人が多いわね……」


辺りを見回しながら、緋翼はため息をついた。
それもそのはず、"組み手"と言えば戦闘(バトル)がメイン。屈強な魔術師が集って当たり前なのだ。緋翼のように小さくてか弱い乙女は、見る限りほとんどいない。


「ううん、ビビってちゃダメよ。上位を目指さなきゃいけないんだから」


そう、周りに怯んではいけない。緋翼だって、経験をそれなりに積んだ実力者の一端。並大抵の魔術師よりは強い自信がある。

そう思って、拳を握って意気込んでいると、


「──ねぇ君、少しいいかな?」

「え? はい、何ですか?」


突然、背後から声をかけられた。
振り向くと、そこには金髪の美青年がニコニコして立っている。……この顔、間違いない。


「えっと……アーサーさん、ですよね?」

「おや、知っていたのか。でも改めて名乗るとしよう。僕は"アーサー"、【覇軍】のリーダーを務めている」


アーサーは丁寧に自己紹介して、またニッコリと微笑んだ。

常人離れした顔立ちに、輝くような金髪。そして凛々しい立ち振る舞いの割に、物腰は柔らかく気さくな性格。相変わらず、非の打ち所がないイケメンだ。
あの爽やかな笑顔を向けられたら、大抵の女子はコロッと落ちるだろう。

それにしても、そんな【覇軍】のリーダーが
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ