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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
076話 記憶巡り編 とある視点で見る記憶 その3
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だがな」

ランサーさんがあっけらかんとそう言う。
さすが英霊。
この程度、罪悪感にすら入らないのかなぁ。
そして、しばらくして景色が元に戻って士郎さんは胸の痛みを感じながらもなんとか起き上がって、

『生きている……?』

なにもわけがわからずにとりあえずその場を掃除して、そこになぜか落ちていた宝石を大事そうにポケットにしまって士郎さんは家まで帰ってきた。
でも、もし殺したと思った相手が生きていたらわたしだったらどうするだろう?

「ねぇねぇランサーさん」
「あん?」
「もしかしてこのあと、すぐに追ったの?」
「ったりめぇじゃねーか。一日に二度も同じ相手を殺す事になった俺の身にもなってくれよ」

またしてもあっけらかんとそういうランサーさん。
やっぱり倫理観がすこーし違うよねー。
そんななかで士郎さんもランサーさんの襲撃を察知したのか、得物になるものを探した。
ふと、昨日に藤村さんが置いてったポスターがあった。鉄仕込みの……。
まさか、これを……?
そのまさかだった。

解析開始(トレース・オン)!』

運よく成功した強化の魔術でランサーさんに対抗しようとする士郎さん。
そして現れたランサーさんはどんどんと士郎さんを追い込んでいく。
補強したポスターもどんどんへこんでいって見るに堪えない感じになっていた。
そのままランサーさんに蹴り飛ばされて、のどかが悲鳴をあげる。
土蔵の中までなんとか逃げ込んだが、もう詰み。万事休すの状態だった。
ランサーさんも『あきらめな』という始末。

『ひょっとすると、お前が七人目だったのかもな』

なにやら意味深な発言!
そこで士郎さんが諦めなかったのか、そこで奇跡でも起こったのか土蔵の中にいつの間にか魔法陣が敷かれていて、そこから風が巻き起こり、どんどんと人型をなしていく。
そして突如として現れたその人はランサーさんを一閃し、士郎さんに振り向いてきたドレスの上に騎士甲冑を来た金色の髪に翠色の透き通るような瞳の女性はこう言った。

『サーヴァント・セイバー。召喚に従い参上した…………―――――問おう。貴方が私のマスターか?』

なんていうか、とても綺麗な女性だった。
わたしも一瞬思考を持っていかれたほどには。
それほどに神秘的な魅力を備えていた。
士郎さんもその魔的な魅力にやられたのか言葉を失っていたほどには……。
見ればこた君以外は大体頬を赤らめていた。
このかと刹那さんも、

「これを見るのは二度目ですが、やはりセイバーさんは綺麗ですね」
「そうやね、せっちゃん」

と、言っている。
士郎さん的にはもうなんていうか、そう!
『運命の夜』だね。
ん? なんかいい感じのタイトルになりそうじゃない?
運命……フェイト。
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