MR編
百六十話 屍者の軍勢を打ち破れ
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前」
カタナ 範囲連撃技 《大巻颪》
先程とは真逆、下に向けて吹き込む突風と共に繰り出されるこの水平切りは、周囲に対して地面に圧し付ける事による移動阻害効果を発生させる。しかしそれはあくまで地上の敵に使った場合の話……では空中の敵に対して使用するとどうなるかというと?
「びたーん!」
下方向に向けて突然吹き付けた突風に圧され、アイリによって斬られダメージを負った敵が猛烈な勢いで地面に対して叩きつけられる。僅かに残ったHPをその衝撃で何体かがHPを完全に削り切られて消滅した。
「いいよリョウ!」
「はいよっと……!」
景気よく響くアイリの声に背を叩かれるように、少し長めの技後硬直から既に回復したリョウが再び一歩前へ。構えは上段、横にした状態で大きく振り上げた斬馬刀を頭上で急速に旋回させる。回転する刃がライトイエローに発光し、踏み出すと同時にスキルが発動、寸前までとは比較にならない推進力で以って蹂躙する突撃が前へと躍り出た。
薙刀 九連撃技 《斬傘車》
「怒ぉけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぃ!!!!」
侵攻する彼の進路上に居るMob達がその刃に触れた傍から弾き飛ばされていく。黄色の光が不規則な円形の螺旋を描きながら彼の後を追って、分厚い防衛網の終わりが漸く見えたかと言う頃……
「憤ッッ!!!」
終いに正面を一閃。前方に居た残る敵をその一撃で以って吹き飛ばし、結局、進路上に居た全ての敵を消滅させて死の突進はようやく終わる。
恐るべき突破力である其れはしかし、同時に技後硬直が長くしかも相手に背を向けて制止する事に鳴る諸刃の剣だ。或いは本当の人間が相手であるならばその迫力と威容に怯み体制を立て直す暇もあるのだろうが、相手はプログラムによって動くモンスター達である。吹き飛ばされた仲間の事も、次にそうなるとも知れぬ自分の身も特に意に止めた様子も無く、背を向けて制止した目標に対して一斉に殺到する。
「キリト!アイリ!」
それを背にしながら男は、“右足を振り上げた”。
「ちょっと“跳べ”!!」
「っと!」
「わっ!」
言われるまま、キリトとアイリが出来る限りの筋力で以って空中に身を躍らせる、直後。大地が震えた。
足技 範囲妨害技 《大震脚》
一定以下の装備重量の対象が範囲内に居る時一時的に相手を拘束、あるいは強制転倒させるこの技は使用者の筋力値に寄って範囲と対象となる重量の範囲が決まる。リョウの筋力値によって放たれたそれは最早彼自身を震源とする一種の地震と化していた。彼の周囲だけではない、防衛線を構築していたMob達が片端から一斉に足を取られ地面に倒れ倒れた仲間の上に別のMobが倒れ伏す。
そして後方で起きているその惨状を確認する事も無く、リョウは再び地面を
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