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SAO─戦士達の物語
MR編
百六十話 屍者の軍勢を打ち破れ
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だけれど、現代の剣道や薙刀道と言った代表的な競技武術とは体の使い方やコンセプトが違い過ぎて、現実で役に立ったことは無い……ただその武術が、小太刀と刀の二種類を使う武術だったので美雨……アイリの中では、状況に応じて使い分けが効く武術と言うものが一つの武器を極める類の武術よりもポピュラーだった。

「で、どう切り込もっか?支援の着弾次第だけど、やっぱり硬い層が薄そうだし少し右側から行く?」
「……お前のそう言う興奮してる癖にフツーに冷静なとこ偶にこえぇわ」
「褒めるなよ〜」
「こえぇっつったんだよ」
肩をたたくアイリにあきれ顔で応じるリョウにキリトがふと首を傾げた。

「そう言えば、アイリってGGOの頃からそうだったのか?」
「そうだぞお前、GGOでこいつとPVPしてみろ超怖えから」
「褒めるなってば〜」
「こえぇってんだよ耳イカれてんのか」
「ひっどい!?」
とはいえ、別にVRゲームをするようになった当初からその考え方で戦っていたという訳では無くて……SAO時代はずっと片手剣を使っていたし、SAOサバイバーになった後に遠距離武器に興味を持って始めたGGOでも初めはライフルを中心に軽量の武器を用いての中距離におけるランガンをメインのスタイルに据えていた。特に考えがあったわけではなく……単純にそちらの方が良いと言われていたから。
右に倣えと言う訳では無いけれど、FPSはそういうものなのだろうと納得して始めて……ものの数日で飽きた。
SAOの時に使っていた片手剣に盾と言うスタイルは、盾はともかく剣は自分に合っていた、そしてライフルで遠くから撃つというスタイルが存外自分の趣味に合わないのだと言う事を、アイリはこの時初めて知った。それでもわざわざ買ってしまったゲームデータが勿体なくてなし崩し的に続けていたその頃に、とある動画を見た……相手の目の色が分かるような至近距離でハンドガンを振り回して体術と銃さばきで次々に敵を屠っていく男の姿が描かれたその動画で、アイリは銃を使った戦いにも近接戦と言う概念がある事を知ったのだ。
後にして考えてみると、銃を用いた近接戦という言葉においてアイリの理解は近代戦の常識から言えば大分ズレていたのだけれど……それが分かれば後は早かった。サブマシンガンやハンドガンと色々な武器を試して「離れた敵を倒せる近接戦」のノウハウを磨いて、けれど正面戦闘になってから接近する難しさを知って、現実的な所との兼ね合いの果てにクイックチェンジによるスタイルの切り替えにたどり着いた。
GGOにおいてはアサルトライフルとサブマシンガン&近接武装の組み合わせ。そしてここALOでは……取り回しのいい片手剣と、威力&範囲重視の太刀を用いた二面で勝負。本当は例の武術のノウハウが使える短剣なんかも使いたいのだけれど、其方はまだスキル上げの最中だ
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