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SAO─戦士達の物語
MR編
百六十話 屍者の軍勢を打ち破れ
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かと思いきやついでに妨害も兼ねてるってか?んっとに良い性格してるぜこのダンジョン考えた奴……」
「……そうですよねやっぱり……」
何かが腑に落ちたような、納得したような顔でそう言ったシリカの顔を、リョウは肩を竦めながら覗き込む。

「お、やっぱお前もそう思ってたか?」
「いえ、それもなんですけど……確かに暗すぎると思うんです。あの松明」
言いながらシリカが指したのは、部屋の外壁部に沿うように設置された松明だった。

「そう言う話だな?……いや、それ以上になんか気になってんのか?」
「はい、その……あの松明、青くなる前と火の大きさはあんまり変わってない気がするんです。なのにあんなに暗くなるのって、演出だとしても変だと思うんです。それに、これって気の所為かもしれないんですけど……」
言いながらシリカは炎を指す指を、左右に動かして見せる。

「あの炎、場所によって火の大きさは同じなのに明るさが違う気がするんです」
「え……」
「マジか?」
驚いたようにリョウ達三人が一斉に周囲の松明に注目する。ややあって、唖然としたようにアイリが言った。

「ホントだ……シリカちゃん気の所為じゃないよそれ……」
彼女の言う通り、壁にかかる松明の明るさが、所に寄って明らかに異なっている個所が何か所かあった。炎の大きさは変わらないにも関わらず、不自然なほど光量の違うそれは、確かに何か意図的なものを感じさせる。

「なるほどな、そもそも下のMobもあれから目を逸らさせるための布石っツー訳か……よく気が付いたじゃねぇかシリカ」
「えっ!?え、えへへ……」
前衛に立っていた三人は周囲のMobの対処に一杯一杯になっていた所為もあるだろう、全体を見回しながら色々な役割をこなさなければならなかったシリカは視野が広くなりやすい条件が整っていた所為もあったかもしれない。ただ何よりも、リョウやキリトも知らない所で仲間達と沢山の冒険を重ねていたシリカ自身のプレイヤーとしての観察力が状況に光明を見出したような気がして、少し筋違いとは思いながらもリョウはニヤリと笑った。

「試してみる価値はありそうだ、シリカ、作戦はあるか?」
「え、えっと……探る方法は考えてあります、なので援護をお願いしたいんですけど……」
自分よりも圧倒的に高いMMOプレイヤーとしての経験値を持つ者達を窺うようにシリカは三人を見る、しかし当の三人はその様子を不思議そうな顔で見返した後、呆れたように少しだけ吹き出した。

「そこは“お願い”じゃないと思うな〜?」
「あぁ、良い目の付け所だってみんな思ってるよ。自信持っていいと思うぞ、シリカ」
「あ……」
つられて安心したように微笑むシリカに、背中越しに促す言葉と

「どうしたよ、さっさと号令出しな、“リーダー”?」
「キュク
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