MR編
百六十話 屍者の軍勢を打ち破れ
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「よぉ、状況どうだいお二人さん、なんか手がかりくれーはつかめたか?」
ユウキと、何故かつついてきたアスナから離れて、中衛として状況把握に努めていたはずのアイリとシリカの下へと駆けよっていく、軽く片手を上げて近づくリョウを二人は一瞬見止めると、何故か瞬時に視線を外し、そっぽを向いた。
「……?おい?」
「……いえ、別に」
「……状況は変わりありませんが」
「リョウさんはもっとお楽しみじゃなくて良かったんですか」
一切リョウを視界に入れることなく、ただただやたらとよそよそしい態度と口調で言う二人に、訳が分からずにリョウは首を傾げた。
「……?なんかお前ら滅茶苦茶棒読みじゃね?」
「いえ?全然?」
「気のせいですよ?」
「「つーん……」」
「つーんて、何の擬音だお前ら……」
そう言っても一切答えようとしない二人に、困り果てたように頬を掻くリョウの下に、不意にほがらかな声が響いてきた。
「いやー、参った参った、まともに打ち込んでたら日が暮れてもおわらないなアレ」
「おうキリト、ボスは?固まったままか結局」
「あぁ、うんとも寸とも言わないな……まぁあのMobの数でボスまで動いてたらどうしようも無くなるけどさ」
「ちげぇね」
苦笑して頷くと同時、リョウは突然武器を取り出してきりとの後方に目を向ける。彼の行動から何かを察したように……あるいは、察するまでも無く、キリトもまた武器を構えて突然振り向いた。
「で?早々に敗北宣言か?」
「いやそう言うつもりはないけどさ、言ったろ?普通にやっても攻撃が通らないんだよ。破壊不能オブジェクト一歩手前って感じ、だっ!」
「そりゃま、たっ!!」
集団を離れて接近してきたMobを一蹴しつつ二人は会話を続ける。混乱こそあったものの、中衛の下に上がってきていたMobの処理は殆ど終わり、状況は一度ブレイクタイムと言った様相になっていた、どうやらこのボス戦におけるMob達には大まかな配置のような物があるらしく、中衛を攻めてきていたMobを処理すると、ボス周辺のMob達はボスを守るように周囲にたむろするばかりで積極的に襲ってくる様子が無い。と言ってもすぐに攻撃用にMobがリポップするのだろうが……そうなる前に、何か手を考えなければならない。
「で、実際のとこどうなんだよ?何か見つけたか?」
「「つーん……」」
「おーい……」
「……はぁ、本当になーんにも、だよ」
相変わらずの二人の様子に流石にリョウが困り果てたような顔をすると、不意にアイリがどこか諦めたような、あるいは少しだけ満足したような顔でそう言った。
「Mobが邪魔なのもあるけど、急に暗くなりすぎたよこのステージ、おかげでフィールドギミック探そうとしても全然はかどらないんだもん」
「確かになぁ……」
「単なる演出
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