第三章
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からこの考えに至っているのだ。
それでだ。光圀も今言うのだ。
「民を笑顔にすることも愛民の一つじゃな」
「はい、その通りです」
「それは」
家臣の誰もがその通りだということだった。これは。
「笑顔のない民が幸せである筈がありませんし」
「そして民を幸せにしないのは愛民ではありません」
「それは断じて違います」
「そういうことじゃ。美味いものは独り占めにしてはならんし」
この考えも述べる光圀だった。このことに関して最初から言っていることだ。
「それに愛民としてもじゃ」
「美味いものを振る舞い笑顔にすべし」
「そうですな」
「では誰もがそうした美味いものを食える国にするぞ」
光圀はそこからこう言った。ただ振舞うだけではないというのだ。
「よいな。水戸藩を豊かにするぞ」
「それでは我等も」
「及ばずながら」
光圀のその政を支えていくと約束した。こうしてだった。
水戸藩では珍味が振舞われ民の為の政、民を笑顔にする政が行なわれていった。徳川光圀といえばどうしても時代劇の印象が今では強いがこうした逸話もある。このことが後世の人々にも伝われば光圀も笑顔になるだろうか。
江戸時代の珍味 完
2012・8・25
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