第二百八十一話
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第二百八十一話 日本の酒池肉林
カーミラは寿司を食べつつ日本の妖怪達に話した。
「これが贅沢ですね」
「寿司を食って酒を飲む」
「これは贅沢じゃ」
「何といってもな」
「最高の贅沢の一つじゃ」
「そうですね、酒池肉林という言葉がありますが」
カーミラはこの言葉も出した。
「お寿司はですね」
「日本の酒池肉林じゃな」
「そうじゃな」
「言われてみれば」
「そうなるな」
「そうですね、海の幸ですが」
肉ではなく魚だがというのだ。
「そうなりますね」
「酒もあるからのう」
「あと歌に踊りもあれば」
「完璧じゃ」
「歌に踊りとなると」
カーミラは日本の妖怪達の話を聞いてさらに言った。
「やはり日本の」
「そうそう、あのな」
「時代劇とかで出て来る」
「ああしたものじゃよ」
「あんたはよく知らんと思うが」
「あれを聴いて観るのがじゃ」
「日本の宴なのじゃよ」
「そうですね、日本の宴というものも」
漆塗りの杯で大吟醸を飲んでその味に恍惚としたものさえ感じつつだった、カーミラは静かに述べた。
「素晴らしいですね」
「寿司に日本酒に」
「そうした歌に踊りじゃよ」
「あと馳走は寿司だけでもない」
「刺身とかもじゃ」
「そうですね、日本の宴もまた」
今度は寿司、中トロを食べつつ言った。
「色々味わってみます」
「よいことじゃ」
「日本に来たならあんたもわし等の仲間じゃ」
「存分に楽しんでほしいのう」
「日本の宴も」
日本の妖怪達も楽しみつつ言う。
「だから今回ばかりでなくな」
「また色々と楽しもうぞ」
「わし等もあんたを宴に呼ぶぞ」
「喜んでな」
「お願いします」
カーミラは微笑んで応えた、そうして寿司も酒も堪能したのだった。
第二百八十一話 完
2020・7・19
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