第十幕その九
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「そうしてみたの」
「成程ね」
「それでどうかしら」
「美味しいよ」
トトはジャガイモを食べつつ笑顔で答えました。
「とてもね」
「それは何よりよ」
「ビーフシチューだけじゃないしね」
「ラムも美味しいよ」
「こっちもね」
ピーターはこちらを食べています、そうして言うのです。
「お塩や胡椒もよく効かせていて」
「いい感じだよ」
「パンもいいしね」
腹ペコタイガーは今はパンを食べています。
「柔らかくて味もよくて」
「ザワークラフトもだね」
臆病ライオンはこちらを食べています、オズの国のライオンや虎はこうしたものも美味しく食べるのです。
「いいね」
「何でも美味しいわね、何でも美味しいことも」
ドロシーもパンを食べています、バターをたっぷり塗ったそれを食べながらそのうえでにこにことしています。
「幸せよね」
「そうですよね」
「オズの国はもう何でも美味しくて」
「お食事の都度幸せになります」
「逆に言えばまずいもの食べたことがないです」
「一度も」
「私もよ。ただ昔はね」
ドロシーはジョージ達五人に自分達の過去のことをお話しました。
「オズの国って食べることについてはシンプルだったわ」
「でしたね、昔は」
「本当にそうでしたね」
「言われてみれば」
「そうでしたね」
「錠剤だけっていうこともありましたね」
「ええ、それがかなり変わったわね」
その頃からというのです。
「本当に」
「そうですよね」
「今は美味しいものが一杯ありますね」
「それを沢山食べますね」
「そうした風になりましたね」
「今のオズの国は」
「しかもメニューが凄く増えたわ」
ドロシーはラム肉を食べつつ笑顔で言いました。
「本当にね」
「昔は日本や中国のお料理なかったですし」
ジョージが言ってきました。
「フライドチキンやハンバーガーやドーナツも今程は」
「なかったわね」
「そうでしたね」
「お菓子もね」
皆が大好きなこちらもです。
「今みたいに色々な種類はね」
「なかったですね」
「ピザも」
このお料理もです。
「こんなになかったわね」
「そうでしたね」
「スパゲティはあったけれど」
「昔とは違いましたか」
「今よりも茹で方がいい加減で」
「のびたものばかりで」
「そして種類もね」
スパゲティのソースのそれもというのです。
「少なかったわ」
「そうでしたね」
「そもそも私カンサスの貧しい農家にいたから」
「あっ、美味しいものは」
「昔は馴染みがなかったの」
そうだったというのです。
「これがね」
「そうでしたね」
「けれど今は」
「こうしてですね」
「美味しいものに囲まれているわ」
「本当に変わりましたね」
「
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