第十幕その七
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「あたしは歌えたらね」
「そして踊れたら」
「それでね」
「そうだね、じゃあ僕はこのままね」
「飲んでいるのね」
「そうするよ、ではまたね」
「ええ、次にここに来た時にまた会いましょう」
つぎはぎ娘と熊が暫しのお別れの挨拶をしてでした。
一行は森を抜けてからです、今度は。
お空から来た飛竜に乗った郵便局の人にこう言われました。
「ドロシー王女にお手紙です」
「あら、誰からかしら」
「オズマ姫からです」
郵便局の人はドロシーに笑顔で答えました。
「お手紙です」
「オズマからなの」
「それを届けに来ました」
「有り難う、じゃあね」
「読まれますね」
「そうさせてもらうわ」
ドロシーは郵便局の人に笑顔で答えました、そしてです。
お空に戻る郵便局の人を見送ってからオズマからのお手紙を読みました、そのうえで皆に言いました。
「朗報だわ」
「朗報?」
「っていうと」
「ええ、私達がお菓子の国に着いたら」
その時にとです、ドロシ―はかかしと樵に答えました。
「お菓子の国は国を挙げて歓迎してくれるそうよ」
「僕達をそうしてくれるんだ」
「歓迎してくれるんだ」
「ええ、そしてね」
それでというのです。
「国を挙げてパーティーをしてくれるそうよ」
「それは楽しみだね」
「首を挙げてのパーティーなんてね」
かかしも樵もそのお話を聞いて笑顔で言います。
「じゃあね」
「是非行かないとね」
「何でもね」
ドロシーが笑顔でさらに言いました。
「オズマはお菓子の国の人達に私達が向かっているってお話したら」
「お菓子の国の方でだね」
「そう決めてくれたんだね」
「そうなの」
ドロシーはジャックと木挽きの馬に答えました。
「これがね」
「いいね、じゃあね」
「自然とあの国に足が進むね」
「そうね、今は少しずつでも」
それでもというのです。
「足が速くなるわ」
「そうなるね」
「国を挙げて歓迎してくれるなんて」
「皆焦っては駄目だけれど」
それでもとです、ドロシーはこうも言いました。
「自然と足が速まることは止められないわね」
「というかね」
「飛んでいきたい位だよ」
「僕も。気球呼ぶ?」
「だから焦らないの」
ドロシーはピーターとトトに笑顔で軽く注意しました。
「ここはね」
「そうだね、焦らないでね」
「そのうえで足を速めるべきだね」
「それがいいね」
「そうよ、パーティーを楽しみにしながら進むのも楽しいでしょ」
だからだというのです。
「いいわね」
「そうだね、じゃあ」
「ここは焦らずにいこうね」
「そうして進んでいこう」
「そうよ、楽しみは長ければ長い程いいでしょ」
ドロシーはこうも言いました。
「それでよ」
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