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Once upon a dream〜はじまらないはじまりのものがたり〜
10月10日(金) 朝
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思関係なく向こうが喜ぶような方の回答が選ばれる。わ!思い出した。大きなハートが顔の横に出てくるの!」
わたしは腕の鳥肌を擦る。
「で、同じく11月になって、告白される…どういうこと、これ?」
「まとめるわよ」
友美が紙にサラサラとわたしが言ったことを書いてくれる。
・10月15日にフラグ
・選択肢がある
・選択肢は自分の意思で選べない
・攻略キャラは「由路翔」「王子」
・11月に告白イベ
「…フラグ?イベ?攻略キャラ?」
わたしがその紙を見ると、何だかわからない言葉が散りばめられている。
「友美、これはな…」
「海月」
「にっ??」
突然、ガッシリと友美がわたしの肩を掴んだ。
超至近距離で顔を覗きこまれる。瞳孔が開ききった友美の目が爛々と輝いていて、控えめに言っても…こわい。
「海月。よく聞いて。もしかしたら、海月は…主人公かもしれない」
「はぁ、主人公…」
「もっと喜ぶとこだよ!?乙女ゲームの主人公よ主人公ッ!世界中の女子求める垂涎もののポジション、そう、それは『乙女ゲームの主人公』ッ!」
「あ、うちは間に合ってますんで。どうぞ」
「どうもどうも…って頂けたらどんなにか…ッ!」
友美は机に伏せてダアンダアン!とやるせない思いを籠めた拳を顔の横に振り下ろす。
「海月ッ!」
ガバッと友美が顔をあげた瞬間にキーンコーンカーンコーンと無情にもチャイムが話の幕をおろす。
「えええー今からってとこでしょー」
「先生来ちゃう。友美またあとでね」
「ううう、一時撤退もやむをえんか…」
まだまだ話したそうな友美を置いて、わたしは自分の席に戻る。
『乙女ゲーム』の『主人公』?夢のなかでも、全く、あり得ない話だ。何より登場人物が実際の人間ということが気持ち悪い。いや、気持ち悪いのはもしかしたらわたしの頭…?
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