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宇宙戦艦ヤマト2199〜From Strike Witches〜
出航編
第1話 遠き星からの使者
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西暦2199年1月17日 太陽系冥王星付近

 太陽系外縁部の準惑星、冥王星の近くを、1隻の赤・黄・白三色で彩られた小型宇宙艦が駆ける。
A級/磯風型宇宙駆逐艦Fタイプ5番艦の「雪風」は、2180年代に地球国連政府と火星自治政府との間で繰り広げられた第二次内惑星戦争後に開発された駆逐艦で、当時戦争の主力だったミサイル攻撃艇の系譜に連なり、シュモクザメを彷彿とさせる錨型の艦首と上下から船体を挟み込む三連装砲塔、安定翼下に2基装備した重水素タンクと三方向に飛び出た一対の細い尾翼といった特徴を持つ。
 主武装はガンマ線レーザービームである高圧増幅光線を放つ2基6門の12.7センチ口径三連装無砲身砲塔に加え、艦首に3門の80センチ空間魚雷発射管に艦尾側8セルの艦対宙ミサイルVLSを武装とし、実体弾による宙雷戦をメインにした戦い方を得意とする。
 その「雪風」の艦橋で、艦長の古代守少佐は、ただ静かに耐熱ガラスの窓の外に見える星の海を見つめつつ、呟いた。

「ねぇお兄ちゃん、お父さんとお母さんの星はどこにあるの…か…」

「間もなく作戦宙域に到着します…艦長、いきなりどうしました?」

 報告する序でに聞いて来た副長の問いに対し、古代は視線を直ぐに窓の方に戻し、答える。

「ああ…昔、弟がまだ小さかった頃に俺に言った言葉なんだ」

 古代の言葉に、副長は彼の弟が何故そんな事を尋ねてきたのか察する。

「ご両親は確か、遊星爆弾で…」

「ああ…銀河の星はこれまで産まれて生きた人の数と同じだけあるって言うけど、沢山あるよな」

「確かにそうですね。どこにあるんですかね、ご両親の星」

 2人がそう話していたその時、レーダー士が古代に報告を上げてきた。

「艦長、レーダーに感!方位横4時、縦3時の方向!距離7光秒、速度30Sノット!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

冥王星付近・衛星カロン軌道上

 先発隊である「雪風」より遥か後方60万q、国連宇宙軍連合艦隊本隊は時速1000万km余りという速度で冥王星に向かって進んでいた。
 インヴィンシブル級/金剛型宇宙戦艦6隻とカウンティ級/村雨型宇宙巡洋艦30隻、「雪風」を含む磯風型宇宙駆逐艦72隻の計108隻からなる大艦隊は、現時点での地球の出せる外征戦力として最大級のものであった。

「世界各国からかき集めて、ようやく108隻か…ここまで疲弊していたとは…」

 その中で、艦隊旗艦を務める戦艦「霧島」の上部二番砲塔と一体化している艦橋にて、艦隊司令長官の沖田十三大将はそう呟いた。
 地球史上初の地球外生命体との戦争にて幾つもの武勲を上げた彼と言えども、『敵』との圧倒的な戦力差を縮めるまでの力はなく、開戦当初700隻以上はあった国連宇宙軍連合
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