間章3 闇にうごめく征服者
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バシュッ!!!
突然、足に違和感を感じ、身体が前に進まなかった。足の方を見ると粘く白い糸がまとわりついていた。
(これは……蜘蛛の糸か!?)
トムは懸命に蜘蛛の糸を取払おうとした。しかし一度、脚に絡みついてしまった蜘蛛糸を、ましてや怪人の放った強固な糸を取り去ることなど不可能だった。
蜘蛛の糸を取り去ることができないことを悟ったトムはスパイダーに向けて再び拳銃の引き金を引いた。
カンッ!カンッ!
全ての弾がスパイダーの頭部に命中するも全くダメージにならず、ヘルメットに少し、傷が入っただけだった。
「ハッ!まだ諦めないか。改造人間である俺にそんなおもちゃが通用するわけがなかろう…!」
スパイダーはゆっくりとトムに近づき、彼が握っていたカメラを取り上げる。
「返せ…!!…死んだ仲間の為にも…絶対に……持ち帰らなけれ……グェッ!!」
倒れているトムの首をスパイダーは片手で容赦無く掴んで持ち上げる。
「ハッ、その脆弱な肉体と下らぬ使命感で何ができるというのだ。哀れなり、異世界人。まぁ、さっきの仲間や貴様の血が我らの異世界征服の人柱となれることを喜んで死ぬといい」
ゴキッ!!!
闇夜に骨が砕けるおぞましい音が響いた。スパイダーはトムの死亡を確認すると遺体をタクシーのトランクに乗せ、現場から走り去っていった。
―――――――――――――――――――――――――――
後日―。
千代田区永田町にあるEP党本部はこの世界におけるショッカーの最大の拠点であり、事実上の日本国支部であった。
地下にある薄闇に包まれた結構な広さの空間に3枚の大型モニターが浮かび上がる。
モニターにはチャイナドレスを着た美女とストリートなファッションの若者、そして大幹部である死神博士が映し出された。
そして彼らが映し出されたモニターに跪いて頭を垂れているのはEP党党首である鳩川である。
『鳩川よ、集会中にひと騒動あったようだな?』
「いえ、騒動というほどでは…ただ我らの正体を知ろうとする不埒な輩がいたのでキレイに消しただけです」
鳩川の返答にチャイナドレスを着た美女が怪訝そうな顔をした。
『どうかしら?本当に全員仕留めたの?』
「は、はい……そのはずです」
『その"はず"?ちゃんと調べなさいよ。貴方達の正体がバレたら異世界征服計画はお終いなのよ?本当に分かってる?
それに前線基地の警備もずさん過ぎよ。死神博士、こんな無能は死刑にすべきかと…』
『うむ、そうだな。死刑が妥当なところやもしれんな……』
鳩川は恐怖で声も出なかった。死刑にされるということに実感が沸か
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