間章3 闇にうごめく征服者
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スッと吸い込まれていく。
トムは仲間達に「中に入るぞ」と目で合図すると意を決して絵の中に飛び込む。
すると先程の美しいイタリアン風の店内とは打って変わって非常階段のような空間に出た。
トム達は困惑しながら階段を降りて、内部を見回す。
相変わらず薄暗い室内にコンクリート製の殺風景な広い空間が続いた。時折、小銃を構えた奇妙な男達にすれ違いそうになったが柱越しに隠れてやり過ごした。
至るところからヒソヒソと話し声が聞こえる。
そこはまるでテロリストのアジトのようだった。
そんな中、広い講堂のような空間に出た。数十人程、集まって何やら集会をしているようだった。さっき絵に入ったEP党員もここにいるのだろう。トム達は少し離れた壁際の柱越しに隠れて様子を伺う。
すると仲間の1人が集まっている集団の顔ぶれにまたも驚愕させられた。
「おい!集まっている連中を見ろ!!」
「マジかよ……大物揃いだな」
トムともう1人の仲間もまた度肝を抜かれた。
EP党員は勿論のこと、実業家の竹外荒蔵、漫画家のよくまつるや作家の村下秋樹から反与党の学生運動家『SHIELDs』のメンバーまで勢揃いだった。どれも社会的な影響力を持つ者ばかりだった。
そして彼らの前の壇上に眼鏡を掛けた男が登壇する。
『ようこそ、レストラン「LEGEND OF GATHERING」こと栄光あるショッカー日本支部前線基地へ。諸君らは普段は政治家や作家、弁護士、教師、はたまた学生として暮らしながらも影ながら我がショッカーの理想をこの世界に拡大する為に協力してくれることにこの場を借りて感謝しよう』
男は彼らを一瞥すると演説を続けた、
『これからも諸君らの献身に期待する。共にこの世界を征服するのだッ!!』
眼鏡の男はビシッと正立し、右手を掲げると―。
「偉大なるショッカーに!敬礼ッ、イーッ!!」
「「「「イーッ!!!」」」」
"来客達" は彼らを取り囲むように整列していた黒い骸骨風のタイツを着た兵士達と共に鷲のレリーフに向かって奇声を上げ、ナチス式敬礼のような右手を掲げた敬礼をする。
トム達は目の前の光景が信じられなかった。
ショッカーがこの世界を征服?
ありえない!!!
まるで悪夢でも見ているかのような現実味がない。だが眼前の光景は現実であり、眼鏡の男ははっきりと『ショッカー』という単語を口にしたのだ。
それに来賓達を囲む骸骨風の兵士……間違いない。あれはショッカーの戦闘員だ!
自衛隊が異世界で目撃したという驚異の馬鹿力を持つ簡易人造人間だ。
トム達は震えていた。
EP党はショッカーのカバー政党だったのだ!
奴らは
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