間章3 闇にうごめく征服者
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そのまま引き継がれていた。
「し、しかしショッカーは独裁体制を築いて人々を強制的に改造して―」
「それの何が悪い!!??」
「お前の発言は不謹慎だ!!辞めてしまえ!!」
「ショッカーとの敵対を煽るような発言をやめろ!!」
「侮辱をやめろ!!ついでに議員も辞めろ!!」
そしてEP党の副党首である福井瑞穂が挙手し、幸原に対してトドメをさす。
「さっきから黙って聞いていれば貴方は批判しかしてませんよね?ショッカーとの友好以外に道があるのですか?あるというならぜひその妙案を言ってみなさいよ、さぁ」
幸原は半泣き状態になりながら悔しそうな顔を浮かべて着席した。
それを見たEP党の党員達は口々に叫ぶ。
「異世界との友好万歳!!!」
「友好!!これこそ真の友愛、平和!!」
トムはその余りの内容に呆れて目を背ける。はっきり言って異常だ。
トムのCIA局員としての長年の勘もEP党の背後には何か巨大な存在があると告げていた。スパイが山勘に頼るようでは駄目だが今度ばかりはトムは自分の勘を信じようと思った。
それから数日後、トムは信頼できる同僚を2名呼び、EP党に関する調査を開始した。それは周囲への聞き込みや党員の監視など多岐にわたるものだった。大抵の組織はこれで尻尾が掴めるはずだった。
しかし結果は惨敗。何も掴めない。数日、数週間に及ぶ調査にも関わらずだ。
どうもEP党は徹底して情報を管理・統制しているようだった。それはただの政党にしては異常な程であり、ますます怪しさが鼻についた。
さらに数日後……。
トム達は党員達がよく訪れるという町外れのレストランに直接赴き、党員の監視を行うようになった。
目的はEP党員達の監視をするため……のはずなのだが店の料理が思いの外、美味しく、ついデザートまで頼んでしまった。目立つことを禁忌とするスパイにあるまじき行為だが周りの客も次々にお替りを注文するので良しとしよう。
それから彼らはそのレストランにほぼ毎日のように通い、常連のようになっていった。
そんなある日、トム達はレストランでの食事中に信じられない光景を目にした。EP党員の1人が通路に飾ってある絵の中に消えたのだ。
到底、現実とは思えないような出来事にトムは口をあんぐりと開けて呆然とし、隣の席に座っていた仲間はスープを飲む手を止めてしまった。
「俺は夢でも見ているのか……?」
「いや、これは現実だ……これは只事じゃない…!!」
ちょうど店内には自分達しかいない様子だったので試しに絵に手を突っ込んでみた。
すると驚くべきことに手がまるで水面に漬けるかのように絵の中に
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