間章3 闇にうごめく征服者
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日本国 東京
CIA 日本支局所属のトムは東京駅構内にあるコーヒーチェーン店で休憩をしていた。
真っ昼間から休憩しているからといって別に暇人というわけではない。彼だってついさっきまで日本国内における北朝鮮工作員の動向を監視する任務の報告を終わらせたばかりである。
ピロリン♪
明るい着信音が鳴り、彼のノートパソコンに暗号化されたメッセージが届いた。CIA日本支部からの指令だ。内容をその場で解読すると―
『EP党の背後関係を探れ』
という指令になった。
その指令を読んでトムはついに来たかと神妙な顔つきになる。
EP党。
中韓北から支援を受けていた議員達が突如、離反して新たに設立した『世界平和』、『異世界文明との友好外交』の2つを公約として掲げる新興政党。
あの鳩川由紀夫が党首、福井瑞穂が副党首を務める政党としてネットや周辺諸国から良くも悪くも注目を集めていた。
支持者はまだ少ないが経路不明の膨大な資金力を駆使して凄まじい勢いで勢力を拡大中だという。
当然、日本の公安も背後関係や資金源の調査・監視を行っているが公安に潜り込ませたCIA局員から一切、報告が上がらないところを見ると何の情報も掴めていないらしい。
(とうとうCIA自らが調査する時が来たのか……)
トムはそう思いながらさりげなくテレビに目を移す。
テレビでは国会中継を放送していた。
周囲の人間はテレビ画面に見向きもしないどころか逆につまらなさそうにしていたところから同盟国(日本)の国民の政治意識の低さが伺いしれた。
「そーり!そーり!貴方は日本を軍国主義時代に戻したいのですか!?すぐに異世界から撤退してショッカーとの友好外交を改めなさい!!」
今日も国会では野党である民衆党議員の幸原議員が政府の異世界政策を批判していた。
CIAや公安警察の中ではこの幸原が韓国から指令を受けている工作員だということは周知の事実である。
ショッカーの技術独占を狙い、反ショッカー報道をやめさせた融和姿勢の中国とは異なり、半島の2ヶ国は依然として工作員達に反ショッカー発言を続ける指令を出し続けていた。
そんな中―。
「お前は黙ってろ!!」
「異世界との友好に水をさすな!」
「この厚化粧女!!」
次々と議員が立ち上がって反論する。
しかし、彼らは与党の議員ではない。
EP党の党員達だ。
中韓の工作員の誹謗中傷に対して与党でなく野党であるEP党が反論する。
ここ数日間、日本の国会はこんな調子だった。
そもそも彼らは民衆党・共生党・会社党員時代に比例代表制で当選した者が殆どなのでEP党に入党した後でも衆議院での議席は
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