第百七十三話 北陸攻めの前にその四
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「土地は肥えていて商いも盛んでな」
「豊かだな」
「そやからな」
「あの国もだな」
「しっかり治めるべきやで」
「そうだな」
「尾張はかなり豊かなので」
今度は紅葉が言ってきた。
「特に名古屋はです」
「あの街はか」
「都や大坂、堺と並ぶです」
「賑やかで栄えた街になるな」
「そうなるかと」
こう英雄に話した。
「ですから」
「しかとだな」
「尾張も治めていくべきです」
「そうだな」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「東海全体もです」
「豊かにすべきだな」
「やはり」
「そうだな、ではこれからな」
「駿府城に入り」
「そこでだ」
その城の中でというのだ。
「これからのことを話そう」
「それでは」
「そしてだが」
英雄は倒壊を進んだ仲間達に問うた。
「駿河そして遠江を治めていた者は降ったな」
「二国の主でござるな」
「そうだ、そいつはどうなった」
「かなり戦ったでござるが」
智、東海を進んでいた軍勢の総大将だった彼が答えた。
「正面から何度も」
「勇敢には」
「卑怯はなく」
それでというのだ。
「正々堂々と」
「向かってきてか」
「戦い民や田畑はです」
「荒らさなかったか」
「一切」
「そして降りか」
「とりあえず閉門を命じたでござる」
その様にしたというのだ。
「処罰ではないでござるが」
「俺の沙汰を待っていたか」
「そうでござった」
「成程な、ではこのままだ」
甲斐と同じ様にというのだ。
「国を治めてもらう」
「駿河を」
「遠江もな」
この国もというのだ。
「そうしてもらう」
「では」
「そのことを伝えさせる」
その主にというのだ。
「その様にな」
「それでは」
「そしてだが」
英雄は駿河の話から話題を別のものに移した、その話題について英雄は一旦言葉を止めてこう言った。
「北陸のことだが」
「次の我々の目標ですね」
「そうだ」
良太にも答えた。
「次の動きだが」
「どうするかですね」
「もう秋だ」
この季節だからだというのだ。
「攻める時には冬だ」
「冬となると」
「攻めにくいですね」
「普通なら攻められるが」
しかしというのだ。
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