第三章
[8]前話
「やっぱり尻尾に出るね」
「どうしてもね」
「そうだね」
主のその言葉に頷いた、そうしてだった。
タロは主達と別れてだった、それから。
ライゾウのところに行くとこんなことを言った。
「犬ってもう自然にね」
「感情が尻尾に出るよな」
ライゾウもこう答えた。
「条件反射でな」
「そうなんだよね」
「感情隠せないよな」
「それはとても難しいね」
どうしてもというのだ。
「自分がその人にどう思っているか」
「そのことをだよな」
「もうすぐにね」
「尻尾に出てな」
「わかるね、仕草にもね」
「猫もだけれどな」
ライゾウはタロにクッションの上で寝そべったまま話した、見ればタロ床の上で横になってくつろいでいる。
「それはな」
「けれど犬はね」
「猫以上に出るよな」
「特に尻尾にね」
「それでご主人にも美奈子さんにも言われるな」
「お父さんにもお母さんにもね」
「そうだよな」
こうタロに話した。
「本当に」
「だからちょっとしたことで気遣ってもらって」
「逆に怒られたりな」
「あるね」
「そうだよな」
「それが犬だね、このことは習性で」
犬のそれでというのだ。
「しかもよく知られてるから」
「どうしようもないな」
「そうだね、相当訓練したら尻尾と顔にも出ない様になるかも知れないけれど」
「それでもな」
「そこまでするお家でもご主人でもないし」
「旦那もしなくねえよな」
「そこまでのことはね」
タロはライゾウに答えた。
「やっぱりね」
「そうだな、じゃあな」
「そういうことでね」
「これからもやってくな」
「そうしていくよ」
こう言ってだ、タロはその場で寝はじめてライゾウも欠伸をしてから寝た。そうして二匹共ご飯まで寝てご飯になるとそのラム肉の味に喜んだ。
犬は尻尾を見れば 完
2020・9・27
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