第二章
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「これは喜んでいるんだ」
「何か凄い元気だけれど」
「喜んでるの」
「犬が尻尾を左右に振っているとね」
今の様にというのだ。
「嬉しいんだよ」
「そうなの」
「尻尾を振っているとなの」
「そうなんだ、ご飯を貰って」
それでというのだ。
「そうなっているんだ、後ね」
「後?」
「後っていうと」
「お散歩にも連れて行くとね」
そうすればというのだ。
「その時も喜ぶよ、犬は散歩が大好きだからね」
「それでなのね」
「その時も喜ぶのね」
「だからお散歩にも連れて行くよ」
言いながらだ、父はリードを出した。
「今から」
「そうしたらなのね」
「タロはまた喜んでくれるのね」
「そうだよ」
実際にだった。
タロは一緒に散歩に連れて行ってもらうとご飯を貰った時の様に喜んでそうして尻尾を横に振った。
双子は父からその他の犬の尻尾の動きのことを教えてもらって頭に入れた、そうして魔女として使い魔達も使役出来る様になり。
小学五年生になった華奈子は部屋の中にいるタロの尻尾の動きを見て彼に尋ねた。
「今機嫌いいわね」
「ご主人様実はね」
タロも華奈子に話した、使い魔になったので言葉を喋られる様になったのだ。
「さっきお母さんに言われたんだ」
「何て言われたのよ」
「今日のご飯はラム肉だって」
「ああ、あんたの好きな」
「それだって言われてね」
それでというのだ。
「僕今ね」
「機嫌いいのね」
「うん、尻尾横に振ってたんだ」
「それでわかったのよ」
実際にとだ、華奈子はタロに答えた。
「あたしもね」
「そういうことだね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「あたしもラム肉好きだから」
華奈子はタロに笑顔で自分のことも話した。
「楽しみよ」
「ご主人もラム肉好きだね」
「羊はね」
「私も好きよ。マトンもね」
美奈子も言ってきた。
「好きよ」
「あんたはむしろマトン派よね」
「あの匂いが好きなの」
マトンのそれがというのだ。
「だからね」
「マトンの方がいいのね」
「美味しそうな匂いよね」
「まああたしも気にならないけれどね、マトンの匂いはね」
「華奈子はラム肉の味がすきなのよね」
「そう、だからラム肉派なの」
どちらかというと、というのだ。
「確かにマトンの匂いもいいけれど」
「マトンの匂いはもうかなりのもので」
タロも言ってきた。
「お家の中にあるとお家の中全体に広がるね」
「ワンちゃんのお鼻だからわかるのよね」
「このことはね。けれど僕の感情って」
タロはこうも言った。
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