第一章
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犬の本音
三島麻美、黒髪を上でまとめたはっきりした目ですらりとした一六〇程の背の彼女は家で犬を飼っている。黒と茶色の雌のダッグスフントで名前をルナという。
ルナは基本家の中で飼っているがよく鳴く、それで麻美は友人の田所ソフィア、日本人とフランス人のハーフで金髪を縦ロールにした青い目で白い肌が印象的だ。胸は大きく背は麻美より二センチ程小柄だ。二人は大学の農学部からの付き合いだ。ちなみに麻美は農業の技術者でソフィアは獣医をしている。
「ルナってよく吠えるけれど」
「ダッグスフントはそうね」
「何て言ってるのかしら」
ソフィアにこのことを話した。
「一体ね」
「ああ、犬は人間の言葉はわかるけれど」
ソフィアもここで言った。
「それでもね」
「人間は犬の言葉わからないから」
「それでルナちゃんが何て言ってるか知りたいのね」
「ええ、どうしてもね」
「その気持ちわかるわ、私にお父さんフランス人でしょ」
ソフィアは自分のことも話した。
「お父さん実はフランス語喋れて日本語も喋れるけれど」
「それがどうかしたの?」
「日本語は標準語はよく理解できるけれどね」
それでもというのだ。
「昔の方言はわからないのよ」
「そうなの」
「それでよく言われるから」
それでというのだ。
「私もわかるわ」
「今の私の気持ちが」
「よくね、だからね」
ここでだった、ソフィアは。
麻美にあるものを出した、それは何かというと。
「高性能の翻訳機でね」
「ワウリンガル?」
「それの最新型のでね」
それでというのだ。
「この前知り合いから貰ったの」
「そうだったの」
「よかったら貸すわ」
そのスマホに似た機械をというのだ。
「そうするわ」
「それじゃあね」
「ええ、これ使ってね」
「ルナが何を言ってるか」
「そのことをね」
「確かめればいいのね」
「そうしてね」
「わかったわ」
麻美はソフィアの言葉に頷いた、そうしてだった。
実際に家に帰ってルナの言葉を聞いてみた、すると。
「ワンワン」
(ご飯寄越せ)
こう言っていた、それで。
ドッグフードを出そうとするとだった。
「ワン」
(肉だ肉)
今度はこう言っていた。
「ワンワン」
(私ドッグフード嫌いなのよ)
「ワン」
(いつも我慢して食ってるけれどね)
「ワフウ」
(できれば肉寄越しなさい)
「お肉欲しいの?」
麻美はルナに問うた。
「あんた実は」
「ワン」
(おっ、私の言ってることわかるのね)
今度はこう言った。
「ワン」
(じゃあ早くお肉出しなさい、食べたらお散歩よ)
「好きなこと言ってるわね」
「ワン」
(これでもご主人って認めてるからね
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