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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第51話:伝わる想い、伝わらぬ想い
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いのだ。
「ん、まぁね。颯人のお誘いで夜景デートに」
「そ、それで? まさか夜景を見ただけで終わり、だなんて……」
「いや。今まで保留にしてきた答えをやっとこさ返すことが出来たよ」
「それって…………もしかして!?」
「うん……颯人と正式に付き合う事になった……って言えばいいのかな?」
改めて気恥ずかしさに頬を赤く染めながらも、颯人と恋仲になったことを奏が告げた。
それを聞いて、響は笑みを浮かべ顔を見合わすと颯人と奏の関係の進展を素直に喜んだ。
「奏、本当!」
「おめでとうございます奏さん!」
「いやおめでとうって、そんな結婚決まったりした訳じゃないんだから」
響のあまりにも大袈裟な喜びっぷりに、奏は思わず苦笑を浮かべてそう呟いた。しかし颯人以外の相手との結婚など考えていなかったので、これは言葉の綾みたいなものだった。
しかし──────
「え〜、じゃぁ奏、俺以外の奴と結婚するつもりだったりする訳?」
出し抜けに奏の背後から姿を現した颯人は、後ろから話しかけながら奏の首に腕を回して抱きしめた。所謂アスナロ抱きと言う奴だ。
突然そんな事をされたものだから、奏は口から心臓が飛び出るのではと言うほど大口を開けて驚いた。
「うわぁッ!? は、颯人!?」
「よぉ奏、昨日は楽しかったな。それと翼ちゃん、響ちゃん、おはよう」
奏の驚愕を余所に、颯人は暢気に翼と響に挨拶をする。挨拶された2人は、奏ほどではないがやはりいきなり姿を現した颯人に驚きを隠せない。
だがそれ以上に2人の興味を引いたのは、明らかに奏の距離の近さである。以前も奏に対しては殊更にフレンドリーだったのだが、今の彼には奏に対する遠慮と言うものがまるで感じられない。
それは奏にとっても同様だったようで、背後から抱き着いた颯人に対し顔を真っ赤にしながら抗議した。
「颯人!? 幾ら何でも近過ぎだっての!?」
「ん〜? 良いじゃねぇかよ。今までずっとお預け状態だったんだから」
「だからって!?」
「それに奏も満更じゃないんだろ? 本気で嫌ならとっくの昔に拳が飛んできてる筈だし」
「うっ!?」
彼の言う通り。奏自身決して嫌ではなかった。寧ろ心の何処かでは、こうして彼と今まで以上に堂々と触れ合えている事を喜ぶ自分が居る事を奏は理解していた。
「まぁ、確かに嫌じゃない…………嫌じゃないけど…………バカ」
翼と響が見ている前で堂々とイチャついてくる颯人に、しかし奏も確かな心地良さを感じていて、だけど気恥ずかしいのは確かなので思わず横から覗き込んでくる颯人の顔から目を逸らした。
しかし直ぐに視線は戻り、颯人の方を見ると堪え切れなくなった微笑みを彼に向けた。愛しい相手にのみ向けられる柔らか
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