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狐火
第一章
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「いえ、それよりも」
 女は話を聞き終えてからこう吉兵衛に言ってきた。店の中では色々なものが多くの客達に売られていっている。江戸の越後屋からはじまった現金賭け値なしをしてこの店も繁盛しているのだ。
 その繁盛している店の中で女は吉兵衛に言ったのである。
「私にその部屋に入らせてくれますか」
「お客さんにですか」
「はい、私にです」
「しかしあの部屋は」
「お金はいりませんので」
 女は躊躇する吉兵衛にこうも言った。
「ですから」
「ではお金を払わずにですか」
「その噂の狐を何とかしてみましょう」
「結構性質の悪い狐ですが」
「いえ、それでもです」
 女は中々頑固だった。少なくとも吉兵衛は彼女とやり取りをしてそう思った。
 その頑固さであくまで言いそしてだった。
 結局女は部屋に報酬なしで入り狐を退治するということになった。女はすぐに部屋に案内された。
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