第三章
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を倒しじゃ」
「そしてか」
「天下に号令しようぞ」
その謙信をだというのだ。
「必ずな」
「殺さぬか」
「殺す?馬鹿を申せ」
やはり謙信自身に対しての言葉だった。
「その様なことはせぬ。断じてな」
「ではどうするつもりじゃ」
「御主をわしの第一の家臣とする」
そうするというのだ。
「わしの天下に御主は必要じゃからな」
「そうするというのか。ではわしもじゃ」
謙信はまた言った。己を家臣とすると宣言した信玄に対して。
「御主を幕府の第一の忠臣にしてやろう」
「ほう、わしを幕府にか」
「御主程の才があれば必ず幕府を支えられる」
だからだというのだ。
「それ故にじゃ。わしも御主は殺さぬわ」
「では再び会った時にな」
「雌雄を決し定めようぞ」
どちらがどちらを正しいのかを認めると。両者はそれを約した。
謙信は信玄とのやり取りを終えると馬首を返し場を後にした。一騎で駆ける彼にはやはり誰も近寄ることはできなかった。
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