第九幕その六
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「努力しているんだ」
「そうですか」
「そう、しかしね」
「しかし?」
「皆何処に行くのかな」
今度はバニャンさんが皆に尋ねました。
「一体」
「お菓子の国に行くのよ」
つぎはぎ娘が答えました。
「そのつもりよ」
「ああ、あそこになんだ」
「そう、そしてね」
そのうえでというのです。
「あたしは違うけれど食べて飲める人はね」
「そうして楽しむつもりだね」
「そうよ、あたし達は皆の食べて飲むのを見てね」
「楽しむんだね」
「そのつもりよ」
こうお話するのでした。
「これからね」
「そうなんだね、お菓子の国か」
バニャンさんはそのお話を聞いて言いました。
「最近行ってないな、そういえば」
「そうなの」
「最近はこの辺りで楽しく過ごしていて」
それでというのです。
「その辺りには行っていないよ」
「それじゃあ」
「うん、わしも行こうか」
お菓子の国にというのです。
「そうしようか」
「あたし達と一緒に行くの?」
「いや、わしの歩く速さは凄いからね」
「ああ、あんたただ大きいだけじゃなかったわね」
つぎはぎ娘はバニャンさんのそのことを個々で思い出しました。
「そういえば」
「風よりも速く動けるよ」
「音よりもね」
「だからね」
それでというのです。
「あんた達と一緒に進むこともね」
「しないのね」
「わしは先に行って」
「そしてなの」
「それでね」
そのうえでというのです。
「待っているよ」
「そうしているの」
「そうするよ」
こう言うのでした。
「わしは」
「そう、じゃあお菓子の国でね」
「また会おう」
「そうしましょう、あとね」
「あと?」
「こんな大きなアナコンダさんにもあんたにも会えたから」
それでとです、つぎはぎ娘は言うのでした。
「アナコンダさんの歌とあんたの歌をね」
「今からだね」
「歌って踊るわね」
「そうすんだね」
「こんな出会いそうそうないから」
こうバニャンさんに言います。
「だからね」
「噂に聞いた通りだね」
「噂っていうと」
「つぎはぎ娘さんは歌とダンスが好きだって」
「そうよ、好きどころかね」
つぎはぎ娘はバニャンさんに答えました。
「超が幾つも付く位にね」
「好きなんだね」
「もう毎日歌って踊ってこそ」
「君なんだね」
「だからね」
それ故にというのです。
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