第九幕その六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「大変なことになるよ」
「お店でも家庭でもね」
「大変なことになるよね」
「その時は」
「うん、ザリガニのパイも酷いしね」
こちらのお料理もというのです。
「どうもね」
「そうなんだよね」
「どっちもただパイに包んだとかね」
「パイの中に入れたとかね」
「そんなお料理だからね」
「日本じゃ論外だよね」
「そうなんだよね、けれどね」
それでもというのです。
「日本ではね」
「色々なお魚が色々なお料理で楽しめる」
「しかもちゃんと下ごしらえもしてるし」
「鱗や内臓も取ってね」
「事前の味付けや切ることもしているから」
「いいんだよね」
「そうなんだよね」
先生は皆に笑顔でお話します、そこにです。
ふとです、先生に声がかかってきました。
「ドリトル先生ですかな」
「?そうですが」
先生がその声の方を振り向くとです。
そこには緑の肌で手足に水かきがあり背中に甲羅、頭にお皿、そして口は嘴という外見の妖怪がいました。
その妖怪を見てです、先生はすぐに言いました。
「貴方は河童ですね」
「はい、河童の佐吉といいます」
河童は先生に笑って答えました。
「誰かと思って声をかけましたが」
「僕のことをご存知ですか」
「先生は動物だけでなく妖怪の間でも有名なので」
だからだというのです。
「わしも知っております」
「そうだったんですね」
「はい、京都の狐や松山の狸と獺の話で」
それでというのです。
「わし等妖怪にも話が伝わっていて」
「ああ、ああした時のことですか」
「姫路城のことも」
「宴のことですね」
「有名になっていまして」
「貴方も僕のことをご存知ですか」
「そうなのです」
こう先生にお話します。
「わし等琵琶湖の河童も先生は知っています」
「それで僕の外見のこともですね」
「おおよそどんな人かも聞いていまして」
先生の外見のこともというのです。
「それで、です」
「僕がわかりましたか」
「そうです、白人で大柄で太っていてお鼻が丸くて金髪で」
そうしてというのです。
「スーツとなりますと」
「わかりますか」
「帽子も被ってますし」
「いつも正装ということもですね」
「そうした人は目立ちます」
どうしてもというのです。
「まことに。ですから」
「わかってですか」
「はい、そして」
そのうえでというのです。
「先生にお会いしたいと思っていたところ」
「ここで、ですね」
「お見かけしたので声をかけた次第です」
「そうでしたか」
「それでどうしてこちらに」
河童は先生に尋ねました。
「いらしてるんでしょうか」
「はい、実は」
先生は河童に自分がどうして琵琶湖に来ているのかお話しました、そのお話を最後
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ