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あつまれおおかみたちの森 〜南の島に流れ着いた俺が可愛いどうぶつたちとまったりスローライフを目指す話〜
アイドルだよ!ルララ (9/26追加)
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と、大きさを持ったものが一つゴロリとこぼれ落ちた。


それを見て、


「・・・斧かぁ。」


俺は見たまんまつぶやいた。


一体これでどうしろと。薪でも割って、売れと言うのか。
愕然としている俺をしり目にトレバーはその斧を取り上げて、しげしげとそれを凝視する。


「コングラチュレーション!ジャァップ。丁度いいところに、丁度いい物が来たじゃあないかぁ。」


・・・どういうこと?なんだそのテンション。


「んー先ほどのあのウサギは本当に残念だった。あれは本当に不幸としか言いようのない、実に残念な事故だった。悲劇だったぁ。」


トレバーは語り続ける。事故というか殺しなのだが。


「見たところ大した肉もついてない。そんな使用価値のない家畜に手を上げるのは本来俺の倫理にもとる。そうさ、ジャップ。俺はぁ本当に後悔している。」


何か知らんが、何かのスイッチが入ったトレバーはそんな知的な調子で語り続ける。仕事柄俺はこの手の頭の回転が一般人とは大部違う連中に、そこそこ会ってきたつもりだった。大体その手の奴は危ないことをする前は決まって、ポエムっぽいというか、演説っぽいというか、要は普段よりエライ格式ばった、カッコつけたことを言い出すことが多かったと思う。

「そう、この斧を手に木を倒し、薪を割り、それを糧として日々を生きようじゃあないかぁ。アダムとイブでもやってきたような基本的なことだ。そう、それは神が我々人間に与えられた単純にして、崇高な、最も神聖な営みの一つだ。今それを俺たちもやれということだ。いいだろう。このトレバー様もやってやろう。」

なんか変な調子になっているが、とりあえず周りには木がかなりあるため、言っていることは間違いないのかとも思う。
そんな見事な演説をトレバーがぶち上げていると、また一匹の動物が俺たちの目の前に現れた。



色違い。



ああ確かにそんな表現で十分だと思う。さっき息の根を止めたクリスなんとかといううさぎの色違いが一匹そこに現れたのだ。パーツ的にはほとんど変わらないが、そう、色が違う。さっきの奴がピンクだとするとこっちは水色。頭に水色の頭巾みたいなのをかぶっている。それがヘコヘコ走って俺たち二人のもとに走ってきた。とっさに俺はさっき殺したクリスなんとかの首から下を草むらの方に蹴っ飛ばして隠す。第二の客人はこちらに駆け寄ってきて、第一の客人と時と同様、ニコっとほほ笑んで挨拶を始めた。


「あらお客さんかしら?あなたたちクリスチーヌを見なかった?私たち、これからステージの練習をしなくてはいけないの。」

たぶんピンクのやつの同種か何かだと思うのだが、こちらはさっきより若干落ち着いている感じだ。ややタレ気味な目をやはりうるうる
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