第一章
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犬のヒーロー
アメリカのある地域のことだ、公園に野良の雄のピットブルが棲み付いていた。雄で毛は白地に茶色がある。
野良であるが一応面倒を見ている者はいた、公園の近くに住むスウェーデン系アメリカ人のグスタフ=デーンである。北欧系の顔立ちだが髪の毛と目は黒く背は一八七ありすらりとしている。職業はアイスクリーム屋だ。
車で商売をしているがいつも車の傍にその犬がいる、客はその犬を見ていつもデーンに笑って言っていた。
「今も一緒だな」
「はい、仕事をはじめると」
デーンは客に笑って話した。
「それこそです」
「いつもだね」
「こっちに来て」
そうしてというのだ。
「僕の傍にいるんですよ」
「まるで家族だね」
「そうですね、いい奴ですよ」
その犬を見つつ客に話した。
「前はどうしていたか知らないですが」
「ここに来るまでな」
「大人しいですしね」
「人懐っこくてな」
「誰にも優しくて」
そしてというのだ。
「絶対に吠えたり噛んだりしない」
「賢い子だな」
「本当にいい子なので」
それでというのだ。
「自然とこっちに来たんですが」
「あんたも世話してるな」
「はい、ご飯もあげています」
それもしているというのだ。
「お水も」
「ちゃんとだな」
「ドッグフードと皿を用意して」
車の中にいつも入れているのだ。
「それで、です」
「本当に家族だな」
客は笑って話した。
「あんた達は」
「そうですね」
「まるでな」
「まるでっていいますか」
「もうだね」
「そうなっていますね」
デーンは客に犬を見つつ話した。
「本当に」
「けれど同居はしていないんだな」
「ええ、野良のままです」
その犬を見て客に話した。
「こいつは」
「公園に居ついてか」
「警察も僕が飼い主だって認めてくれていますけれど」
それでもというのだ。
「やっぱりです」
「同居はしていないんだね」
「した方がいいですかね」
「ああ、そう思うよ」
実際にとだ、その客はデーンに答えた。
「それがその子の為にもなるだろ」
「だからですね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「考えておきなよ、名前もつけてないだろ」
「ですね、いつもおいとかよおとかで」
声をかけてもというのだ。
「名前は」
「それもつけてやりな、野良のままだとな」
「よくないですね」
「犬にとってもな、あんたも家族が増えるだろ」
「いいことですね」
「一人暮らしよりいいさ」
家族がいる方がというのだ。
「だからな」
「そうですね、真剣に考えます」
「そうしなよ」
客とこんな話をしてだった、デーンはその日仕事をしながら実際に犬との同居そして名
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