第一章
[2]次話
代々の猫
千葉県柏市に住む山本家には白く奇麗な毛並みの雌の白猫がいて名前をそのままシロという、年齢は十五歳になる。
そのシロを見て小学六年生の娘さりなは両親に尋ねた。濃い茶色の髪の絵を肩の長さで揃えていて額を隠している。楚々とした顔立ちで背は普通位だ。
「シロの前にもうち猫飼ってたのよね」
「ああ、ユキっていうな」
父の和幸が答えた、こい茶色の髪の毛を左から右に伸ばしていて他は短くしている濃い眉の中年男性だ。背は一七五位でしっかりした体格と顔立ちだ。
「雌猫だったよ」
「そうよね」
「その前も飼っていたんだ」
猫をというのだ。
「白い雌猫をな」
「そうだったの」
「名前はホワイトっていったんだ」
「何か代々なのよね」
妻の美幸も言ってきた、濃い茶色のショートヘアで優しい顔立ちで背は一五八位ですらりとしたスタイルである。
「そうよね」
「どういう訳かな」
「白い雌猫を飼ってるのね」
「うちはな、家の長男の家はな」
「あなたも長男だし」
「親父も祖父さんも長男でな」
それでというのだ。
「そして僕も」
「そうよね」
「どういう訳か何時からかわからないけれど」
それでもというのだ。
「うちの長男は代々なんだよ」
「白い雌猫を飼ってるのね」
「その娘がいなくなっても」
夫は妻にさらに話した。
「すぐになんだよ」
「新しい娘が来るの」
「これがね」
そうだというのだ。
「どういう訳か」
「生まれ変わり?」
娘はその猫を見ながら父に問うた。
「それって」
「それお祖父ちゃんもひいお祖父ちゃんも言ってるよ」
「そうなの」
「うちは代々この家に住んでるけれど」
柏市のこの家にというのだ。
「ずっとなんだよ」
「ずっとなの」
「お父さんが知っている限りな」
「じゃあシロがいなくなっても」
「今お兄ちゃんは京都にいるけれどな」
父はここでさりなと七つ離れた彼女から見て兄自分達から見て息子の良平の話をした。京都の方の大学で寮生活をしている彼のことを。
「お兄ちゃんが戻ってきてもな」
「やっぱりなの」
「猫はな」
白い雌猫はというのだ。
「いるだろうな」
「そうなのね」
「ああ、本当に若しかしてな」
父もこう言った。
「生まれ変わって代々な」
「うちにいるのね」
「そうかもな、ずっと白い雌猫だからな」
「ニャア」
父は一声鳴いたシロを見てこうも言った、そしてシロはある日家出をしていなくなった。家族で探したが一ヶ月後家の玄関の前にだった。さりなは学校から帰った時に見た。
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