第三章
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「いいわよ」
「今で充分幸せもたらしてくれてるか」
「そうでしょ、いるだけで和ませてくれてね」
「真知ちゃんのブログやインスタや動画のネタになってくれてるか」
「だからね」
「もう充分か」
「そうでしょ、まあ子供は」
このことはというと。
「授かりもので努力すればね」
「わしも言うたしな」
「そう思ってやっていきましょう」
「ほなな」
夫は妻の言葉に頷いてベッドの中で身体を近付けさせた、そうこうしているうちに。
真知子は遂に妊娠した、夫に産婦人科での診断の結果を言うと夫は満面の笑みでこう言ったのだった。
「よっしゃ、三ヶ月やな」
「やっと出来たわね」
「ずっと努力してきた介があったわ」
「ええ、健康に気をつけてね」
「身体にええもん食べてな」
「ビールも控えてね」
「神様仏様にお願いしてな」
そして子宝のお守りも買って絵馬も書いた、七夕の短冊にもかけた。
「その努力が実ったわ」
「ええ、ただね」
妻は夫にここでこうも言った。
「ニャン太が来てからね」
「子供出来たからやな」
「これまでの努力にね」
「猫が持って来てくれる幸せもか」
「あってね」
それでというのだ。
「実ったのよ」
「そうなんやな」
「そう、だからね」
夫に笑顔で話した。
「授かったのよ、やっぱり猫はね」
「幸せ授けてくれるか」
「今で十分と思っていても」
それでもというのだ。
「猫はそうは思っていなくて」
「人間が思っている以上に幸せくれるんやな」
「そうじゃないかしら、だからお腹の中の子供はね」
「ニャン太がわし等にくれたか」
「そうした面もあるわね」
「そやねんな、ほなニャン太にはもっとええご飯あげるか」
キャットフードのそれをというのだ。
「そうしたるか」
「今でお店で買えるので一番いいものよ」
「そうなんか」
「だから上等のブラシ買ってあげるわ、おもちゃもね」
「それでお礼にするか」
「そうしてあげましょう」
妻は夫に笑顔で話した、そしてだった。
二人でニャン太に高級ブラシやおもちゃを買ってだった、妊娠してからのことも勉強していった。そして子供が生まれた時。
ニャン太は家に来た男女の双子男の方が兄のその二人秀治と好美と名付けられた二人のところに来て優しい声で鳴いた、夫婦はその彼を見て優しい笑顔になった。
インスタ映えする猫と悩める主婦 完
2020・9・24
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