最終章:無限の可能性
第261話「海鳴の戦い」
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都合だった。
「ッ……!」
周囲の空間ごと焼き尽くす炎が展開される。
その炎は球状に広がり、周囲を呑み込んでいく。
「ば、馬鹿な……!?“水の性質”でも、打ち消せない……だと!?」
一人の神が驚愕する。
この場には、一応相性を考えてアリサの炎に有利を取れる“性質”の神がいた。
しかし、その有利性すらアリサは覆していたのだ。
「馬鹿ね。水程度、あたしの炎の前じゃ蒸発するだけよ」
炎を纏ったアリサは鼻で笑うように空間を包もうとする水を蒸発させる。
勝とうとする“意志”がそのまま炎の勢いとなって、水すら圧倒していた。
「さぁ、燃えたい奴からかかってきなさい!!」
その様は、まさに不死鳥の誕生だった。
「本当に、戦闘経験が浅いんだね」
一方で、すずかの方も敵を翻弄していた。
理力による殲滅力相手に、すずか一人では敵わないものの、その身体能力と魔眼などを駆使して逆に圧倒していた。
「なぜ……!?地力は、こちらが圧倒しているはず……!?」
「生かしきれてないし、“意志”はこっちが上だよ」
手刀が“天使”の喉を貫く。
理力の障壁があるにも関わらず、すずかは“意志”を込めてそれを容易く貫く。
「凍てついて」
―――“Niflheimr”
氷の波動が広がり、すずかを中心に空間ごと凍てつかせていく。
「地力では負けているし、倒すのにも一苦労だよ。……でも、負けるつもりは全くないんだよね。この世界だけじゃなく、他の平行世界からも、力を託されているんだから……!」
圧倒しているように見えて、一人を倒すのにかなりの労力を割いている。
このままでは、先にすずかが体力切れを起こしてしまうだろう。
“意志”によって体力切れを先送りにできるが、それも時間の問題だ。
それでも、“別の一手”を打つために、すずかは敵を翻弄し続けた。
「アリサもすずかも、単騎もいける戦闘スタイルだから、そう簡単にやられる事はあり得ないだろうけど……っと!」
そして、アリシアもまた敵を翻弄する事で耐え凌いでいた。
だが、アリシアは速攻で打てる手札では、威力を出せない。
そのために、アリサとすずかに比べて逃げ回るような戦法を取っていた。
「ふっ……!」
身を捻り、理力の極光を躱す。
同時に二丁の拳銃から魔力でコーティングした霊力の弾丸を放つ。
貫通力を重視した攻撃なため、敵も防御より回避を優先して対処している。
傍から見れば、アリシアが敵から逃げつつ攻撃を繰り出している状態だ。
「ぐっ!?」
障壁越しに極光が掠る。
飛行の軌道をずらされながら
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