第四章
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「悲しい思いをして泣いたら駄目なのよ」
「じゃあ私は」
「別れられたことを受け入れて」
自分が悪いからそうなった、まずそれをそうしろというのだ。
「それで酷いことを言った子にもね」
「あの子にもですか」
「謝るべきよ。私も人に誤れって言える様な偉い人間じゃないけれど」
これはこの世の不思議な摂理だが人に謝罪を強制する人間が自分がそうすることは決してない。またそうしたことを言う人間t程下劣なものである。先輩はそうではないが。
「悪いことをしたならね」
「それならですか」
「自分で考えてそうしてね」
先輩はあえて最終的な判断はすみれに委ねた。
「わかったわね」
「わかりました」
すみれはまた布団の中で頷いた。
「私、明日は学校に行きます」
「そうしてね」
「そして泣きません」
このことも言うのだった。
「そうします」
「それはしないに限るわ」
「自分が悪いことをしたことに泣いてはいけないんですね」
「された子はもっと泣いているから」
それ故にだというのだ。
「すみれちゃんは泣いたら駄目よ」
「あの子はもっと泣いてるんですね」
「今その子どうしてるの?」
「学校には来ています」
には、というところに相手のその事情が出ていた。
「それでも」
「一人でいるのかしら」
「クラスメイト全員に絶交されていつも言われてるらしいです」
「そうしたのは誰か。今はわかるわよね」
「・・・・・・はい」
すみれば何時しか泣かなくなっていた。そのうえでの言葉だった。
「私です」
「そのことがわかっていればいいわ」
「そうですか。じゃあ明日に」
「全部すみれちゃんが思うことをしなさい」
今はだというのだ。先輩は今回のことはあえてすみれに預けそのうえでことをさせるというのだ。
先輩はそのことも告げて今は部屋を後にした。すみれは部屋の中から先輩の気配が消えたことを漢字ながら決意したのだった。
そして次の日だった。朝学校に来て彼のクラスに向かった。彼はクラスの中でぽつんと一人で俯いて座っていた。
周りはすみれを見てこう言い合った。
「あれっ、来たよ」
「昨日大泣きして寮に帰ったらしいけれど」
「ちゃんと来たわね」
「結局何だったのかしら」
「今日は絶対に来ないって思ったのに」
「何で来たんだろう」
皆最初は彼にではなくすみれに注目したのだった。
そして彼も見てここでこう思ったのだった。
「まさかと思うけれど」
「またあいつに攻撃するのか?」
「やるんならやればいいけれどさ」
「それなら」
彼等は特に何も思わなかった。彼がそうした立場だからだ。
だから大抵の生徒はそう思っていた。だが、だった。
彼に対して同情的な心の持ち主達は首を捻って述べるのだった
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