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泣くことはない
第三章
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ですから」
 その彼をとだ。だからそうしたというのだ。
「皆、よくやったとか言ってくれてたのに」
「あのね。それは皆が間違ってるのよ」
 すみれを褒めた彼女達がだというのだ。先輩は穏やかな声で話しながらすみれが持て囃されて有頂天になっている姿も想像した。
 そのうえでこうすみれに言うのだった。
「その子はすみれちゃんのお友達によくないことを言ったのね」
「はい、振られて」
「振った理由はどういったものかしら」
「太っていたから」
 すみれはまた布団の中から答えた。
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