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SHOCKER 世界を征服したら
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敗残狼の反攻の狼煙
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正気を失っているように見えた。
自分達"は"敗けてない。なのに『祖国が敵に蹂躙され、敗北した』という現実を突きつけられたのだ。そんな現実を直視したくないため、彼らは半ば自暴自棄になっていた。
しかし、ここで敵の占領下に置かれたベルリンに向かえば首都を制圧されて祖国が敗北したということを認めてしまうことになる。つまり、自分達が戦い続けたのは無意味だったと『信仰』を自ら否定してしまうというジレンマを含んでいた。



それを理解してしまった部下の一人がボソリと呟いた。


「もう……お終いなんですね……第三帝国も…ゲルマン民族も……」


突然、お通夜ムードの天幕の中に笑い声が響いた。


「ハ、アハハ…ハハハ、ハハハハハ!!!」


その場に似合わない乾いた笑い声だった。


「な…何がおかしい!?」


ゾルはその部下に問いただした。
その部下は合わない目の焦点のまま話し始めた。


「ハハハ!!大佐、大佐は怖くないのですか?我々が戦い続ける限り未来がある?なら負けてしまった今、祖国はどうなるのですか?ゲルマン民族は?千年帝国は?東方生存圏は?」
 

誰も答えられなかった。今まで信じていた…いや、信じなければやっていけなかったものを全面否定するこの非常事態に何も言えなかったのだ。


「国家だけじゃない、私達はどうなるんですか?私達の家族は?結局、何一つ守れないまま終わってしまうのですか?」

 

答えられる者はいない。皆、うなだれていた。か細くではあったがすすり泣く声も聞こえた。ゾルも黙ることしかできなかった。


そんな中、その部下はその静けさを破るように叫んだ。


「何もかもお終いなんですよね。なら…こんな世界にいたくない!!」


半狂乱に陥ったその部下は涙を流し、見開いた瞳孔のままホルスターからワルサーP38を取り出し、自身のコメカミに銃口を向けた。何をしようとしているのか瞬時に理解した。


「おい!!やめ―」


「ジークハイル(勝利万歳)!!」


パン!!!


彼の頭に穴が空き、天幕の中のテーブルに生温かい鮮血が飛び散った。


「自決だ!!」


予想外の出来事に周囲が慌ただしく動き回る中、ゾルは自分でも信じられないほど冷静だった。
ふと、その部下の顔を見ると満足そうな清々しい表情をしていた。まるで何か重く苦しいものから解放されたかのように。

ゾルはその部下の遺体を見て少しの間、黙祷を捧げると外に出して『機密保持』の為にガソリンをかけて火をつけた。





―それからは早かった。翌日の朝までに副官と7、8人の部下を除いて連隊員達が次々と自決をしてしまったのだ。
 

軍人とし
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