プロローグ
敗残狼の反攻の狼煙
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!」
聞いた者の肌が思わず栗立つような咆哮が響く。殺気と怒気が撒き散らされ、ビリビリと空気が振動する。
その気迫に押されて一番、後方にいたアメリカ兵が思わず尻もちをついた。
狼男は彼にゆっくりと近づき、頭を鷲掴みにすると―
グシャ!!
吹き上がった血を浴びた狼男は恐怖に顔を歪ませる救援部隊員達の表情を見てニヤリと笑うと反対の手を上げて叫んだ。
「今だ!行け!改造人間兵士諸君!!」
するとアメリカ軍を取り囲むようにして数十人の"怪物"が飛び出した。
蜘蛛のような姿をした者、蝙蝠のような姿をした者、トカゲのような姿をした者。人間に忌み嫌われる様々な種類の動物の怪物がそこに集結していた。
ここでアメリカ兵達は自分達が包囲されていることにようやく気づいた。
そして怪物達が憎悪の目を向けてアメリカ兵に襲いかかった。
「ウワァァァ!!!」
アメリカ兵達は恐怖に支配され、狂ったように持っていた小銃やピストルの引き金を引いた。しかし怪物達の身体は全く傷つかない。それどころかまるでポップコーンでも投げつけられているかのように臆することなく近づいていく。
パパパパパパパパ!!!
「ダメだ!連中、効いてないぞ!」
「このォ、化け物が!!」
改造人間兵士達はアメリカ兵に接近すると一人一人、順番に殺害していった。蜘蛛の糸に絡められて死ぬ兵士もいれば、鎌状の腕で斬首される兵士もいた。
一方、狼男の方はアメリカ軍のトラックの荷台に飛び乗るとそこに乗っていた兵士達をまとめて一瞬の無駄もなく"始末"していく。兵士達は断末魔を上げる間もなく血まみれの肉塊になっていった。
「退却だ!!」
そう叫んだ救援部隊の隊長は恐怖にとらわれて部下より先に走り出した。
それにつられて部下達も彼の後を追うようにして駆け出すがすぐに改造人間達に追いつかれて"始末"されてしまう。
隊長は後ろから逃げ遅れた部下達の悲鳴や叫び声が聞こえたが無視した。
(このままでは殺されてしまう!)
「ク、クソ!どうなってんだ!?敵は敗北寸前のナチ共じゃなかったのか!?」
たまたま近くの草原が見えたので草むらの中に走り込んだ。ここなら見つかることはないだろう。恐ろしさのあまり、進んでいく先しか見えず、おぼつかない駆け足で少しでも遠くに逃げようとする。
すると突然、隊長は首筋に激痛を感じた。激痛を感じた部分が猛烈に熱くなる。
恐る恐る振り返ると狼男がうなじに噛み付いていた。あの軍服の眼帯男が変身した狼男だ。
(ばかな!もう2~3キロは離したはずだ!!もう追いついたのか!?)
「部下を捨てて我先に逃げるとは…
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