第六十話 朝早くからその十七
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「私以外の人はそう言うのよね」
「謙虚だってですね」
「そうね」
「それはいいことですね」
「まあね。謙虚でいるとね」
それで、です。
「随分違うから」
「厚かましい人は反面教師にしています」
「ちょっと信じられないけれど」
「親戚にもいまして」
「あっ、親戚の悪口は止めなさいね」
何かそうなりそうな気がしたので止めました。
「いいわね」
「それは駄目ですか」
「そう、それはしないで」
こう中尉しました。
「とにかく厚かましいことはしない様にしているのね」
「はい、これでも」
「そうなのね」
「まあとにかくです」
「謙虚になる様にしているのね」
「いつも心掛けています」
「いいことね」
何かどうもそんな子には思えないですが頷くことにしました。
「そのことは忘れないでね」
「ずっとそうしていきます」
「そうしてね、ただね」
「ただ?」
「阿波野君って私が見た阿波野君と他の人が見た阿波野君は違うわね」
このことが気になっています、私から見れば厚かましくて失礼な子ですが他の人は謙虚で礼儀正しいと言います。
「そのことを今実感してるわ」
「僕のことがわかってくれたんですね」
「えっ、どういうこと?」
「だから僕の謙虚さと礼儀正しさをわかってくれたんですよね」
「何でそうなるのよ」
思わず怒って言いました、八重歯が出たのがわかりました。
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