第四章
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「二人共お互い様だし」
「パンツ見えてるって言われたのよ」
「ブラよ、ブラ」
「下着は下着だから」
その二つをまずは同じだとしてとりあえず二人の勢いを止めた。
そしてそのうえであらためて二人にこう言った。
「話は聞いたけれど」
「うん、津波ちゃん酷いよね」
「枝織ちゃん最悪よ」
「二人共お互いのことを思ってのことじゃない」
「津波ちゃんを!?」
「枝織ちゃんを!?」
「そうよ。下着が見えてたから言い合ったんでしょ」
尚は冷静にこのことを話す。
「それはそうよね」
「それは」
「何ていうか」
「親切から言ってるじゃない」
二人のそれぞれの立場に立ってそのうえで双方を気遣っての言葉だった。
「本当に。そうでしょ?」
「まあそれは」
「何ていうか」
二人も尚にそう言われると俯いて口ごもった。先程までの勢いはもうない。
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