§10 都内決戦
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稲妻の応酬が始まってから、この周辺で雑音がしきりに発生し黎斗の脳に響く。ここまで喧しいのは非常に稀だ。カイムを発動、意思疎通を試みる。
???死者の、応援。あの男を倒せ、と護堂を奨励する無数の呼び声。
呼び声が増えるほど、稲妻の威力が僅かだが上がっていく。
「なーる、っーことはあの雷撃は応援もらうと強くなるのかな?」
ならば、陰から手を貸すことは出来る。カイムの権能はそういうことに特化している。まさにうってつけではないか。
「これすんの久々なんだよなぁ…… 最大出力、いきますか」
自身の周囲に不可視の結界を簡易生成。認識阻害も重ねがけをする。その上で、カイムの権能を最大出力で発動。神、カンピオーネ、人間以外で都内に居る、あらゆる生命に協力を要請する。協力してくれる生命の思念を収束、護堂のみに届くように変換して送りつける。幸か不幸か今回は災害を引き起こす存在が相手だ。こちらへの協力者は鼠算で増えていく。最初こそ膨大な量の思念を掌握するのに手間取ったが、慣れてしまえばあとはたやすい。
「破壊者を食い止める。みんな、護堂に力を……!!」
「ヴォバンと戦う力を貸してくれ!!」
手を掲げ叫ぶ護堂。瞬間、とてつもない量の思念が舞い込んできた。さっきまでとは桁が違う。
死者だけではない。近隣住民だけでもない。エリカ達だけでもない。この嵐によって苦境に立たされた、数多の生物。彼らまでもが老王を倒せと護堂に呼びかける。個々の呪力は取るに足らないものの、それが無数の量となれば話は別だ。倍以上の呪力を得て、彼らの声援を受けた護堂は、灼熱の雷をヴォバンへ放つ。
「!? 小僧、貴様いったい何をした!?」
突然、段違いの威力・精度で雷撃を放ってきた護堂にヴォバンは目を見開く。更に現在進行形で護堂の呪力が膨れ上がっていく。
「ならば、これでどうだ!!」
護堂の呪力が急激な増加の一途にある。その上数十名はいるだろうか、元従僕達が歯向かって来る。これ以上長引かせても自分に利無く害しかない。そう判断したヴォバンは、頭上に蓄積してきた莫大な雷雲を解き放つ。必滅の紫電が護堂へ向けて落とされる。
???勘付いたのは、卓越した霊視能力を持ち、離れた場で見守っていた祐理だけだった。
突如護堂に直撃しようとしていた、紫電が歪む。姿を捉えることが出来なくても、祐理の霊視は何者かの存在を感じ取る。僅かに感じたのは、強大な月の神の気配。出鼻を挫かれ呪力を減らした紫電は、護堂、エリカ、リリアナを直撃することなく大きく逸れて大地へ落ちた。当事者達には、紫電が歪んだ事は認識できなかったに違いない。
「我は全ての敵と悪を打ち砕く!! 我は勝利を掴む者なり!!」
護堂の声と共に、まば
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