第八幕その六
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「本当に闘牛がそうなったのかしらね」
「ミノタウロスに変わってですか」
「闘牛って危険でしょ」
「一歩間違えたら大怪我です」
ジョージもこう答えます。
「牛の角か体当たりを受けて」
「そうよね、それがね」
「人を襲って食べるってなって」
「ミノタウロスになったのかしら」
「そうかも知れないんですね」
「どっちにしても牛はお肉を食べないわ」
「だから私も食べません」
ビルはドロシーに答えました。
「勿論双子の弟も」
「弟さんおられるんですか」
「対岸の迷宮の出口の番をしているよ」
ビルはジョージにその弟さんのお話もしました。
「私は入り口でね」
「ご兄弟で迷宮の番をされているんですか」
「そして管理もね」
そちらもしているというのです。
「出入り口のすぐ傍にそれぞれのお家があってね」
「そこに住んで、ですか」
「そう、そしてね」
そのうえでというのです。
「この迷宮の番をしているんだ」
「それがお二人のお仕事ですか」
「オズの国のミノタウロスは菜食主義だけれど」
それでもとです、ビルはジョージに笑顔でお話しました。
「迷宮に縁があることは同じでね」
「神話のミノタウロスと」
「それで番をしているんだ」
「そうなんですね」
「じゃああっちに進むには迷宮を進んでなのね」
つぎはぎ娘がビルに尋ねました。
「そうすればいいのね」
「そうだよ、迷宮の中は入り組んでいるけれど安全だからね」
「罠とかはないのね」
「ないよ、中を進むのを楽しんでもらう場所だから」
それでというのです。
「危ないことはね」
「ないのね」
「だからそのことは安心していいよ」
「わかったわ、じゃあお昼の後でね」
「進むといいよ、では私は今からね」
「お昼ね」
「妻と娘が作ってくれたそれを楽しむよ」
こう言うのでした、笑顔で。
「今からね」
「では私達もね」
ドロシーも皆で言いました。
「今からね」
「お昼にするのね」
「そうしましょう」
「それでメニューは何かしら」
「お寿司にしましょう」
こちらにというのです。
「川を見ているとね」
「それでなのね」
「お魚を食べたくなって」
「お寿司にするのね」
「ええ、どうかしら」
「それでどういったお寿司かな」
トトがドロシーに尋ねました。
「一体」
「あっ、日本のお寿司かどうか」
「アメリカのお寿司って日本のお寿司と少し違うからね」
「アレンジが入っているわね」
「だからね」
トトはドロシーに尋ねるのでした。
「どちらかって思って。それに」
「それに?」
「握り寿司、巻き寿司、散らし寿司ってあるね」
「お寿司っていっても色々ね」
「だからね」
「どのお寿司か」
「そう思って聞
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