第八幕その一
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第八章 ミノタウロスの迷宮
お菓子の国に進むなかでドロシーは皆にお話しました。
「地図を見ているとね」
「何かあるんですか?」
「ええ、もうすぐ迷路に入るわ」
そこにというのです。
「ミノタウロスのね」
「えっ、ミノタウロスっていうと」
ジョージはその名前を聞いて眉を曇らせて言いました。
「人を食べる」
「あっ、オズの国ではね」
「そうしたことはないですか」
「ええ、それにミノタウロスは頭は牛でしょ」
「それで身体は人間です」
「牛はお肉食べないでしょ」
ドロシーはこのことを言います。
「そうでしょ」
「言われてみれば」
「だからね」
「そうしたことはないですか」
「絶対にないわ」
それはというのです。
「牛がお肉を食べることは」
「オズの国でもですね」
「そんな牛はいないわ」
「ミノタウロスでもですね」
「そうよ、あの人達もいるけれど」
それでもというのです。
「菜食主義よ」
「そうなんですね」
「ええ、ただ草だけを食べるわけじゃないの」
このことは違うというのです。
「お野菜や果物も食べるの」
「そうなんですね」
「そこは違うわ」
「だから菜食主義ですね」
「あと牛乳を飲んで」
そしてというのです。
「チーズとか乳製品も食べるわ」
「そちらもですか」
「そうなの」
「それは別に不思議じゃないね」
トトはミノタウロスがチーズ等を食べることについてはこう言いました。
「別にね」
「ミルクと一緒だから」
「牛が牛のお乳を飲んでも」
例えそうしてもというのです。
「おかしくないよ」
「そうね」
「お肉でないし」
「そう、牛乳はね」
「だからいいね」
「じゃあミノタウロスと出会っても安心していいんですね」
カルロスはドロシーに尋ねました。
「別に」
「食べられるとか」
神宝もこのことについて言及しました。
「そうした心配はしなくてよくて」
「神話のミノタウロスは凄く怖いですが」
恵梨香もギリシア神話のミノタウロスをイメージしています。
「オズの国では違いますね」
「というか何でミノタウロスは人を食べていたのかしら」
ナターシャはこのこと自体に疑問を感じています。
「そもそも」
「そういえばそうだね、牛は草を食べるからね」
ジャックもこう言います。
「幾ら身体が人でも人を食べるとかおかしいよ」
「何でそうなったのかね」
「わからないよね」
「戦いを挑むならまだわかるけれど」
「闘牛もあるし」
「それならね」
「僕もそれがわからないね」
ジャックは五人の子供達にも言いました。
「本当に」
「そうだよね」
「闘牛がそうなったのかな」
「昔のギリシアで
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