第94話『開会式』
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た。
そして列から出て、台の上に立つ会長の元へと歩み出て来た人物の容姿を見て、晴登は目を疑う。
「金髪…!」
「そしてイケメン…!」
2つ目のセリフは伸太郎のものだ。
そう、なんとその人物は高身長の金髪イケメンの青年だったのである。……あれ、外国人じゃないのか?
「あの人はアーサーさん。【覇軍】のリーダーで、"聖剣"の持ち主だ」
「あの人が…!」
「ちなみに『アーサー』ってのはニックネームで、普通に日本人だ」
「えぇ!?」
終夜の説明に声を上げて驚いてしまったので、慌てて口を塞ぐ。
まさかあの彫りの深いイケメンが、自分たちと同じ日本人だなんて。にわかには信じられない。つまり金髪は染めたということだろうか。
"聖剣"だから"アーサー"、そして"金髪"。……自分から合わせに行ってるってことなのかな。
「宣誓! 我々選手一同は、スポーツマンシップに乗っ取り、魔術師の誇りに懸けて、正々堂々戦い抜くことを誓います!」
彼は両手に持っていた杖を会長へと手渡した後、凛々しい声でそう宣言した。
ちなみにその杖は木でできた長いもので、先端に光る水晶が付いているのが見える。察するに、あの杖は優勝旗と同じようなものだろうか。旗の代わりに杖……うん、魔術っぽい!
『アーサー選手、ありがとうございました。列へ戻って下さい。………ではいよいよ、今年の予選の内容を発表したいと思います!』
ジョーカーの言葉に、「ついに来たか」と晴登は身構える。この内容が、本戦に進めるかどうかの決定的なキーなのだ。せめて、難しくないものを……!
『それではいきますよ。ドゥルルルルルルルルルル──』
ジョーカーは懐から1セットのトランプを取り出し、それをシャッフルし始める。
その際、声で太鼓の音を演出しているのが実に滑稽なのだが、次の瞬間、その中から4枚を抜き出した。
『出ました! 今年の予選は"競走"、"組み手"、"射的"、"迷宮"です!』
4枚のカードを見ながら、ジョーカーはそう宣言した。それに対して、会場が少しどよめく。
とはいえ聞く限り、内容が読めない競技は1つだけだ。競走とか射的は名前の通りだろうし、組み手もわかる。
ただ、迷宮だけは全然わからない。迷路を突破する……のかな? それは競技と呼べるのだろうか。
『予選のルールは例年通り、4つの競技の順位の和が小さい16チームが本戦に進めます』
そして予選の競技について考えている間に、さらっと大事なことが言われた。
珍しいルールだが、つまるところ4つの予選全てで上位を取らないと、本戦に上がるには厳しいということになる。例
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