第94話『開会式』
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う。
「うちか? うちは【日城中魔術部】だぞ?」
「え、まんまなんすか……」
「仕方ねぇだろ。こんな大会に中学生なのに出場できるんだ。大層な名前なんか名乗れないだろ」
「そ、それは……」
しかし、そんな晴登の疑問は呆気なく氷解した。
いつもの終夜ならバリバリに厨二っぽいネームを付けるかと思っていたが、こういう時はしっかりと弁えるようだ。
まぁ「魔術部」って響きは嫌いじゃないから、とやかくは言わない。伸太郎は少しがっかりしてるようだが。
「へぇ、これが月たちの後輩?」
「そうそう。こっちが雷使いの終夜で、こっちが焔使いの緋翼ちゃん」
「え、緋翼ちゃんってホントに中学生? 小学生じゃなくて?」
「失礼ですよ!」
風香が興味津々に訊くと月はそう答え、さらにその答えに舞がびっくりする。
もう慣れてしまったが、緋翼は確かにここにいる誰よりも小さい。この反応が当然だろう。
「はいはい、緋翼ちゃんはいじられるの好きじゃないからその辺にね」
「星野先輩もさっきいじってきたと思うんですけど」
「それはそれ。じゃ、そろそろ新入生たちの名前を聞かせて貰おうかな」
緋翼から逃げるように、月は話をそらす。
そして、「私たちも自己紹介したから、次はそっちの番だ」とばかりに、彼女は目配せをしてきたので、晴登、結月、伸太郎の順に自己紹介をした。
この時能力名は隠したのだが、彼女らはそれよりも別のことが気になったようで……
「え、2人とも三浦ってことは双子?!」
「舞、それはどう見ても違うと思う」
舞の天然と思われるボケに、風香がしっかりツッコんだ。
髪の色や目の色からしても、晴登と結月が同じ親から産まれる可能性はほぼゼロだと思うのだが。
「あ、こいつらは夫婦です」
「ちょ、部長!? 何を言うんですか?!」
「ふ、夫婦……!」
「結月も反論して?!」
「あらあら〜」
「へぇ〜そうなのか」
しかし突然、終夜が根も葉もないことを言い出した。晴登は即座に抗議するも、結月が満更でもなさそうな反応で話を拗らせる。
一生結月の面倒を見るとは言ったが、さすがに夫婦と呼ばれるのは恥ずかしいことこの上ない。おかげで花織と月に、温かい目を向けられてしまった。
すると月は晴登に向かって一言、
「なら晴登君、結月ちゃんを泣かせちゃダメだぞ」
「な!……わ、わかってますよ」
「よしよし、それならいいんだ」
月は晴登の答えを聞いてニカッと笑った。
どうして急にそんなことを言ったのかわからないが、女子の先輩からのアドバイスと考えると無下にはできない。肝に銘じておこう。結月には
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