第94話『開会式』
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ここが開会式や閉会式、そして本戦の舞台だ」
「つまりここで戦闘を……」
終夜の説明を聞いて、独りでに納得。このぐらいの広さなら、思うように戦えるだろう。まだ本戦に出れるかもわからないのに、独りでにワクワクしてきた。
「でもって周りは、見ての通り観客席な」
「あ、先輩方だ!」
辺りを見上げると、そこには観客席が広がっていた。ますます闘技場っぽい、というかもう闘技場と形容しようか。
晴登は観客席の2年生を見つけると、手を振ってみた。すると彼らも手を振って返してくれる。なんか嬉しい。
「あ、ようやく来たね」
「久しぶりね〜終夜君、緋翼ちゃん」
「おぉ! 星野先輩! 櫻井先輩!」
観客席を見上げていると、後ろから2人に声をかけられた。振り返ると、先程見かけた月と、終夜に「櫻井先輩」と呼ばれる女性が立っている。
その人はふわっとした茶髪のショートで、まるでドレスの様なひらひらとした服装をしていた。身長は終夜と同じぐらいの月よりは小さいが、晴登よりは大きい。
「あなた達が1年生ね〜。私は櫻井 花織、月ちゃんと同じく魔術部でした〜。よろしく〜」
「「よ、よろしくお願いします!」」
気の抜けたような甘い声で挨拶してくる花織。とてもおっとりとした印象を受けた。というか、何だか癒される。不思議だ。
「さてと……うん、花織だけじゃなくて、せっかくだからうちのチームも紹介しようか。その代わり、今年の魔術部がどんな感じか教えてよ」
「わかりました。いいですよ」
月の提案に対して終夜がそう返事すると、彼女は後ろにいたチームメイトを呼び出した。
すると現れたのは、さらに2人の女性。黒髪ポニーテールの凛々しい女性と、帽子を被って茶髪をまとめている活発そうな女性だ。
「これがあたしたち4人で構成されたチーム、【花鳥風月】。全員同じ高校の生徒だよ。この2人は猿飛 風香と小鳥遊 舞ね」
「よろしく」
「よろしくね!」
「「よろしくお願いします!」」
黒髪ポニーテールの方が風香、帽子を被っている方が舞だ。風香はクールな印象で、舞は元気いっぱいな印象である。
というか、ここで気になったことが1つ──
「そういえば部長、うちのチーム名って何ですか?」
晴登は首を傾げて終夜に問う。
【花鳥風月】といい【覇軍】といい、周りのチーム名はカッコイイ。そりゃ学校名で区分されてる訳じゃないからっていうのが一番の理由なんだろうけど、だとしたら、自分たちのチーム名は何だろうかと疑問に持つのは当然と言えよ
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