第八幕その五
[8]前話 [2]次話
「この比叡山もだよ」
「そうだよね」
「延暦寺っていう凄いお寺もあるけれど」
「日吉大社もある」
「そうだね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「この日吉大社があることもね」
「事実だよね」
「それも」
「そうだよね」
「だからおかしいことじゃないよ」
日本ではというのです。
「普通のお寺の中に神社があったり神社の中にお寺もあったりするからね」
「それどっちがどっちかわからないよね」
「神宮寺とか言うよね」
「これも他の国にはないから」
「そうそうは」
「それがあるのも日本で」
それでというのです。
「面白いところだよ」
「安土城もあらゆる宗教集めてたしね」
「それじゃあね」
「この比叡山も同じで」
「おかしなことじゃないね」
「延暦寺とずっと一緒にここにあるからね」
今いる日吉大社はというのです。
「何百年単位で」
「その何百年っていうのも凄いね」
「もう家族みたいだね」
「そこまでいったら」
「うん」
本当にというのです。
「延暦寺と日吉大社はそうした関係に近いかもね」
「欧州でカトリックの教会とプロテスタントの教会が同じ敷地内にあったら」
「何か居心地悪いかも」
「両方共ね」
「何しろ戦争もやったしね」
「物凄い戦争があちこちであったから」
欧州ではというのです。
「イギリスでもカトリックかどうかで揉めたからね」
「国教会も出来たしね」
「そうしたことも考えると」
「同じ山にお寺と神社があって何百年と暮らしているとか」
それはというのです。
「日本は違うね」
「それで都をずっと一緒に護っていたんだね」
「そう、比叡山は京都から見て北東にあるね」
先生は皆のお話を受けて今度は方角のお話をしました。
「北東は鬼門だからね」
「鬼が入って来るんだよね」
「丑寅の方角っていって」
「だからそこはちゃんとしないと駄目なんだよね」
「鬼が都に入らない様に」
「だからそこに延暦寺を置いたんだ」
京都の北東のそこにというのです。
「そして南西は裏鬼門というけれど」
「そっちには高野山だね」
「金剛峯寺を置いたんだね」
「そうだね」
「そうだよ、そしてね」
そのうえでというのです。
「都を守護していたんだ」
「成程ね」
「そのことも面白いね」
「ほんとに」
「うん、僕も面白いと思っていて」
それでというのです。
「こうしたことについても学んでいるよ」
「風水とか陰陽道とか」
「そうしたお話だね」
「先生日本に来てから実際そうした本も読んでるね」
「そうしているね」
「そうだよ、それはオカルトに入るお話でもあり」
先生はそちらのことも学問と考えています。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ