第八幕その二
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「どうもね」
「ふうん、河童だね」
「そういえば僕達河童にはまだ会ったことないね」
「これまで色々な日本の生きものや妖怪と出会って来たけれど」
「河童はまだだったわね」
「そうだね」
「河童は日本各地にお話があるけれど」
それでもとです、先生は言うのでした。
「面白い妖怪だよ」
「川とかお池にいるのよね」
「頭に皿があって甲羅を背負ってて」
「お相撲と胡瓜が大好きでね」
「泳ぐのが得意だったね」
「うん、イギリスで言うと水の妖精だよ」
それが河童だというのです。
「調べてみるとこれが面白いんだ」
「そうだよね」
「何か尻子玉を抜くっていうけれど」
「それは怖いけれど」
「実際は人の身体にそうしたものはないよ」
尻子玉というものはというのです。
「だから河童のそのお話は間違いでね」
「そんなことはしなくて」
「そのことは安心していいんだ」
「尻子玉を抜かれるとかいうことは」
「全くね、ただ悪戯好きだから」
この困ったことはあるというのです。
「そこは気をつけないとね」
「子供みたいなものかな」
「悪戯好きだったら」
「それだったら」
「そう思っていいよ、九州では悪戯があまりにも酷くて加藤清正さんが懲らしめたなんていうお話があるから」
こうしたお話もあるというのです。
「これがね」
「ああ、あの戦国大名の」
「物凄く強かった人よね」
「虎もやっつけたっていう位に」
「この人は河童が苦手な猿を集めて」
そうしてというのです。
「河童の大軍を攻めて懲らしめたんだ」
「へえ、お猿さんをね」
「そんなことしたんだ」
「加藤清正さんもかなり強かったけれど」
「その時はそうしたんだ」
「そうしたお話もあるよ、あと河童は猿だけでなく犬も苦手みたいだよ」
こちらの生きものもというのです。
「どうやらね」
「ふうん、僕も苦手なんだ」
ジップは先生の今のお話を聞いて言いました。
「そうなんだ」
「それに僕も駄目だね」
チーチーも言います。
「僕はこの国の猿じゃないけれど猿だしね」
「何か面白いことだね」
ガブガブも言いました。
「河童がそうした生きものが苦手なんて」
「そういえば狐も狸も犬が苦手だよ」
ホワイティはこのことを思い出しました。
「同じイヌ科だけれどね」
「それで河童もなんだね」
老馬の口調はしみじみとしたものでした。
「成程ね」
「河童も弱点があるんだね」
「頭のお皿のお水がなくなったら弱いとは聞いていたけれど」
オシツオサレツはこのお話もしました。
「犬や猿も苦手なんだ」
「そうだったんだ」
「じゃあ悪戯をしてもね」
「チーチーやジップがいれば安心ね」
チープサイドの家族はお友達を見てお話をします。
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