IF純クリのホラー映画鑑賞会
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跳ねさせる。
やっぱり可愛いな、クリスは……。
って、さっきから俺、クリスの方ばっかり見てないか?
首を横に振りながら視線を画面に移した、その時だった。
『ウボァアアアアァァァァァ!』
「ひうっ!?」
悲鳴と共に腕に押し付けられる柔らかい感触。
腕にしがみついてくる彼女の手から伝わる力が、どんどん強くなってくる。
いや、この程度痛くはないんだが……やっぱり押し付けられてるメロンの感触が気になって仕方がねぇ!
目の前の画面に集中……雑念を振り払うんだ……。
『キィエエェェェェェェェェ!!』
「きゃあああぁぁぁぁぁぁッ!?」
「ぐあぁッ!?」
画面にどアップで迫って来た化け物に、クリスが悲鳴を上げて俺に飛び付いた。
今のはちょっと耳にキたぞ、クリス……。
「……あっ、ごっ、ごめん! 純、大丈夫?」
「大丈夫……耳以外は……」
慌ててクリスは俺から離れる。
一旦映画を一時停止して、俺は深呼吸する。
画面の奥の化け物より、クリスの悲鳴に驚いて心臓止まるかと思ったぜ……。
「ごめん……その……怖かったから、つい……」
「気にしなくてもいいぜ……。その……怖がるクリス、可愛かったし……俺を頼って飛び付いてくれるの、悪い気はしねぇから……」
薄暗い室内、テレビの光に照らされて一瞬だけ見えたクリスの顔を思い出す。
一瞬だけど、その顔はしっかりと網膜に焼き付いてる……。
いや、一瞬だけなのが勿体ない、むしろもっと見ていたかったとさえ思ったくらいだ。
「純……」
「……どうする?怖いなら、ここでやめた方が……」
「だ、ダメっ!」
リモコンを握る俺の手を、クリスの手が握る。
驚いてクリスの顔を見ると……
「こ、こわい、けど……純が守ってくれるから……大丈夫、です……」
ちょっと涙目で俺の手を掴む、世界で一番可愛い美少女がいた。
これは反則だろ……お持ち帰りしてぇ。あ、ここ俺ん家だったわ。
「わかった。でも、本当にダメそうなら……」
「大丈夫だもん。今のはちょっと、ビックリしただけ。怖くなんか、ないんだから」
腕にしがみつかれながら言われてもなぁ……。
こういう負けず嫌いな所は、昔から変わってないみたいだ。
排水溝ピエロには悪いが、もう少し俺がクリスとイチャイチャする為のダシになってもらうぜ……なーんてな。
「再生押すぞ」
「う、うん……待って!ちょっと深呼吸させて」
ここまでくっ付いてくれるなら、また今度借りてこようかな?
翔にオススメ、紹介してもらうことにしよう。
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