暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
IF純クリのホラー映画鑑賞会
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「純、映画借りたんだけど、一緒に観ない?」

クリスがそう提案して来た時、俺は目を疑った。

クリスが差し出して来た映画のタイトル。それは、ちょっと前に話題になった有名ホラー映画のものだったからだ。

パッケージに描かれているのは、真っ赤な風船と黄色いレインコートの少年。
そう。排水溝から殺人ピエロが出てくる、あの映画である。

ホラー映画? あの、怖いの苦手なクリスが?
一体どういう風の吹き回しだ?

俺は困惑した。

「クリス、大丈夫……なのか?」
「うん。ネットで、時々見かけるけど、全然、怖くなかったもん」

えっ? ネット? ……あー、そういやあのピエロ、切り抜かれた動画が某有名動画サイトを中心にネタ化されてたな……。

排水溝から出てきて色々オススメしては沼に引きずり込んでくるピエロ……。
映画見るまでそれくらいの印象だった、という声もあった筈だ。

ちなみに俺は、同じクラスにいる映画好きの友達と一緒に見た事があるんだが、想像してた倍は心臓に悪かった。

これ、クリスの苦手なやつだぞ……間違いなく。

「本当に大丈夫なんだよな?」
「響ちゃんに、確認したもん。怖いけど、ホラーって言うよりは、青春映画だよって」

……うーん、間違っちゃいない。

ストーリーの流れ的には確かにそうなんだけど……だからって全くホラーじゃないって訳でもないんだよな〜……。

ってか、響って確かクリスの後輩で、(あいつ)の彼女だったよな?
どんな顔してそうレビューしたんだ……。

クリスの勢いに押されたか、それとも悪戯半分で情報を伏せたか……。
……どちらも有り得るな。

でも、これはある意味でチャンスではないだろうか?

ホラー映画で怖がるクリス……久し振りに見てみたいな……。

「そこまで言うなら……」
「純、もしかして……怖いの?」

……何も知らないクリスの顔が、にっこりと笑っていた。

どうしてそこで得意げな笑みになるのか、ちょっと心配なんだが?

「何でそうなるんだ?」
「大丈夫。怖かったら、わたしに抱きついても、構わないから」
「いや、俺一言も怖いなんて言ってないんだが!?」
「わたし、これでも、純よりおねーさん、なんだから。むふー」

クリス……勘違いでフラグを何本も建てるのはどうかと思うぞ……。

でも、仕方ない。騙してるようで悪いけど、黙っていよう。

お姉さんぶりたいクリスの厚意を無碍にするのも、紳士としてよろしくないからな。

──というわけで、俺とクリスは部屋を暗くして、二人でこのホラー映画を観る事にした。



……再生開始から暫くして。

「ひっ!?」

暗がりから出現する異形の姿に、クリスがビクッと肩を
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