私、小っちゃくなっちゃった!
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た。
「この前の事件の時から、懐かれちゃって」
「懐かれた?」
一番肯定しているように、ガルーダが鳴き声を上げる。
「ほら。私、ガルちゃんのサポートで色々頑張れたところもあるから。それでかな?」
「俺にはそこまでしてくれたことないのに」
するとガルーダは、可奈美の体を放り上げる。そのまま背中に乗せ、飛び上がった。
「うわっはははは! すごいすごい!」
可奈美の声が、天井近くから聞こえてくる。
ガルーダはそのまま店内を滑空。カウンターの真下、机の下、ハルトの頭上、柱旋回。どれも普通の人間では大きすぎて探検できないエリアだ。
止めようとするが、暴走する使い魔は、ご主人様の声よりも、可奈美と一緒にいられることを選んだ。
そのままガルーダは、店を飛び出し、夜空へ上昇していく。
「おい!」
ハルトが店を飛び出すが、ガルーダの影はすでに暗闇に紛れている。
「すごいすごい! どんどん上昇していくね!」
ガルーダの嬉しそうな声。
ハルトは二人に、大声で伝えた。
「ガルーダもうすぐ魔力切れだよ! 危ないから、早く戻ってこい!」
すると、その言葉が現実になった。
ガルーダが指輪を残し、消滅。小さな可奈美は、上空でただ一人取り残されてしまった。
「え?」
「えええええええええええええええええええええ?」
哀れ小さな可奈美は、そのまま重力によって落下。
慌てて受け止めようとするが、いかんせん可奈美の小さな体は、その輪郭を捕らえるのがとても難しい。
おまけに夜だ。視界も利かない中、可奈美の体はどんどん加速していく。
そして。
ちょうど、ハルトの頭上で、スモールの効力が切れた。
「ぐぎゃっ!」
「きゃっ!」
つまり、ハルトからすれば、突然可奈美の体が出現したことになる。それが、ハルトの体を押し倒した。
「だ、大丈夫ハルトさん?」
クッションになったおかげで可奈美は傷つかずに済んだが、そのダメージは全てハルトが肩代わりすることとなった。
額に落ちてきた指輪に、ハルトは目を回しながら恨めしそうにつぶやく。
「ガルーダ……覚えてろよ……ガクッ」
「ハルトさあああああああああああああん!」
可奈美の断末魔を子守歌に、本日の松菜ハルトは営業を終了した。
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